テルマエのような蛇口酒の発祥の店は大阪や浜松などと言われるが、火が付いたのは東京だ。首都圏に初めてこのサービスを持ち込んだのは、2019年2月オープンの、コックからレモンサワーが出てくる焼肉酒場「焼肉ホルモンたけ田」だと言われる。その後チェーン化され、現在は40店舗ほどとなっている。
蛇口酒が本格的に流行したのは、2020年7月に東京・渋谷にオープンした「0秒レモンサワー 仙台ホルモン焼肉酒場 ときわ亭」がきっかけだ。“0秒レモンサワー”というキャッチコピーが受けて大人気となった。一時は100店舗ほどにまで急増し、類似店も多数現れた。
両社とも焼肉・ホルモンの店だが、コロナ禍では換気が良いと考えられ好調を維持できた。また、蛇口をひねったりコックを押したりすることでお酒が提供され、最低限の接客で済むため「非接触性が高く安全」と考えられたことも大きい。
コロナ前には複数のエンタメ居酒屋があり、都内のケースだと新宿などには監獄レストラン「ザ・ロックアップ」、吉祥寺の幽霊居酒屋「遊麗」などがあったが、そのほとんどが閉店してしまった。
現在は、忍者がテーマの「NINJA TOKYO」、学校がテーマの「6年4組」、吸血鬼の世界観を表現した「VANPIRE CAFE」などの店が人気だ。しかし、世界観を作り込んだエンタメ性の強い飲食店は、コロナ禍でほとんどが姿を消してしまった印象だ。
テルマエは久々に登場した、エンタメ居酒屋のたたずまいを感じる店だ。その安さから今後さらに多くの支持を集め、チェーンとして拡大していくだろう。
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。
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