GMOの福利厚生の中でも特筆すべきものの一つが、セルリアンタワーに設置された社内託児所「GMO Bears」だ。企業主導型保育所として2021年にリニューアルされ、166平方メートルの広い室内では、0〜3歳の19人の子どもが元気に遊んでいる。保育士は12〜13人でシフト制。スペースを有効活用するため、室内はその日の年齢分布に応じてレイアウトを変えられる仕様にした。
ユニークなのは、「慣らし保育」を復職前から利用できる点だ。通常の保育園であれば入園してからが基本だが「GMO Bears」では、育休復帰前に5日間程度、無料で子どもを預けられるため、復職初日からスムーズに業務に戻れる。
災害時には同フロアで働く従業員が迅速に駆けつけられるスキームも構築。避難訓練では、各従業員が子どもを背負って避難する練習もしている。
第2本社の増設は、従業員の業務にどのような影響を与えたのか。
「グループを横断しての大規模プロジェクトが立ち上がった際は、物理的に距離が近くなったことで、スピードの向上や交流の力を感じています。新しいアイデアや情報交換を通じた事業の成果にもつながっています」(佐山氏)
年に1回、従業員を対象に、福利厚生に関する満足度調査も実施している。「GMO Yours」に関しては、ランチの量や質、イベント内容の評価のほか、各施設の満足度などを細かく調査した。結果を見ると、全体を通して平均93%と高い満足度を誇っている。
できるだけ従業員から意見を募るべく、現在は社内提案システム「くまのみみ」も導入。実際に届いた提案は全て役員を含めて検討している。「GMO Yours おうちごはん」の販売も「くまのみみ」への提案が発端となり採用された事例だ。
ユニークなのは、提案者は匿名ではなくあえて実名にしている点。佐山氏は「実名にすることで、グループ全体で自分の意見がどのように反映されるかまで考えた提案がされるのではと期待しています。提案内容は全従業員が見られるようにして、賛成が多ければ、実際に仕組み化を検討しています」と話す。
こうした福利厚生の充実は、採用活動にも好影響をもたらしている。
「働く環境や福利厚生サービスの充実はもちろん、拠点が集約されていることで、グループ全体の勢いを求職者は感じられます。企業理解を含めて、さまざまな商材をカバーしている当社自体の魅力も訴求しやすくなったと感じていますね」(佐山氏)
人手不足の中、若い従業員にとって「働きやすさ」は企業を選ぶ際に大事な指標になっている。GMOのさまざまな機能は魅力的に映るのかもしれない。
今後は、第2本社を成功モデルとして、同じような機能を持つオフィスを全国にある拠点でも展開していくと佐山氏。
「大阪、福岡、宮崎オフィスで働く従業員からは、第2本社のような機能を導入してほしいという声が上がっています。GMO OLYMPIAやGMO Yoursなどの施設はもちろん、フクラスとセルリアンタワーで培った福利厚生のノウハウやサービスについて、他拠点でも導入し、オフィス環境をGMO流のスタイルとして統一していきたいと考えています」(佐山氏)
太田祐一(おおた ゆういち/ライター、記者)
1988年生まれ。日本大学芸術学部放送学科で脚本を学んだ後、住宅業界の新聞社に入社。全国の工務店や木材・林業分野を担当し取材・記事執筆を行った。
その後、金属業界の新聞社に転職し、銅スクラップや廃プラリサイクルなどを担当。
2020年5月にフリーランスのライター・記者として独立。現在は、さまざまな媒体で取材・記事執筆を行っている。Twitter:@oota0329
ポートフォリオはこちら
働く人の“ちょっと休む文化”は広がった? 三菱地所「休養室」5カ月の成果
労働時間規制の緩和に「賛成」57%――それでも「長く働きたくない」本音
出社したくなる職場は「高性能PC」より「話しかけやすい空気」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング