米Andreessen Horowitzといえば米シリコンバレーの著名ベンチャーキャピタル(VC)の一つだ。だが、実はシリコンバレーのVCとしては後発組である。後発でありながらトップレベルのVCの仲間入りができた大きな理由が同社の広報戦略だという。
インターネットやSNSがメディアの現状を大きく変える中で、同社はSNSの特性を最大限に生かして多大な影響力を手にしたのだ。
学研が挑む"真のDX"──「本当に使われるデジタル」で目指す教育価値のバリューアップ
【開催期間】2026年1月27日(火)〜2月25日(水)
【視聴】無料
【視聴方法】こちらより事前登録
【概要】学研グループは、DXを目的化するのではなく、現場と顧客にとって“本当に使われるデジタル”を出発点に教育価値のアップデートに挑戦しています。本講演では、現場で浮き彫りになった課題や、実際に行ってきた改善や仕組みづくり、そこで得られた知見がどのように学研のDX推進を形づくんできたのかをお伝えします。既存のデジタル活用の成果と学びを振り返りながら、学研が目指す“真のDX”の姿をご紹介します。
同社主催の年次イベント「a16z LP Summit 2025」に登壇した同社共同創業者のマーク・アンドリーセン(Marc Andreessen)氏は、「ミームを制する者はメディアを制する」と語った。ミームとは、ソーシャルメディアを通じて拡散される1枚の絵や、短いテキストメッセージのことで、そこには何らかのメッセージや物語、考え方が含まれているもののことを指す。
ミームの例としては、アンドリーセン氏が2011年にWall Street Journal上で発表したエッセイのタイトル「Why Software Is Eating The World」が挙げられる。このタイトルのSoftware Is Eating The Worldの部分はミームとして広く拡散され、15年経った今でもニュースメディアや政府の白書などでそのまま引用されている。
テキスト版のミームになる条件は、短くてキャッチーなフレーズであるということだろう。短くてキャッチーなフレーズだとSNSなどでそのまま広くシェアされるからだ。拡散されるにつれ、そのミームに含まれるメッセージや概念が多くの人に理解されることになる。
Software is eating the worldというフレーズは、「ソフトが世界を食い尽くす」というイメージが湧きやすいキャッチーなものだ。当時は、社会が建物や機械などのハードウェアで構成されているという考えが主流だったが、同氏は今後ソフトウェアこそが広く社会の隅々まで導入されて世の中を変えるのだと主張。その考え方を、このソフトが世界を食い尽くすという独特の言い回しに込めたわけだ。
今まさにAIが世の中の隅々にまで浸透し始めている中で、このミームが広めた概念やイメージを多くの人が実感していることだろう。
ミームはソーシャルメディアが普及した今だからこそ、大きな影響力を持つようになっている。テレビや新聞といった従来型メディアさえも、このミームの影響からは逃れられないのだとアンドリーセン氏は言う。
なぜなら、PV(ページビュー)競争に追われるニュースサイトや記者は、簡単にPVが稼げる執筆テーマを常に探しているから。Yahoo!やX(旧Twitter)のトレンドランキングを見れば、どのミームが急上昇してきたのかは一目瞭然。そのミームに関連した記事を執筆するだけで、そのミームの勢いに乗って簡単にPVを稼げてしまう。
またSNSの多くの話題は、続いても2〜3日。話題が次々と移り変わるので、話題に乗ろうと思えばSNS上の専門家の発言をそのまま引用するしかない。一から取材のアポを取っている間に、その話題は忘れ去られてしまうからだ。
これまでは従来型メディアの取材に応じても意図したように報道されないということがよくあった。だが、SNS上のミームは既にコンパクトにまとめられているので、一語一句変更されずに引用されることがほとんどだ。
従来型メディアはミームを無視することはできても、ミームを止めることはできない。また今のところ自らミームを作り出そうとはしていない。アンドリーセン氏は「SNSが犬、メディアが尾」と言う。SNSが向く方向にメディアも向くというわけだ。
SNSの口コミを通じて拡散されるミームは、短く、センセーショナルなものが多い。びっくりするようなミームが次々と流れてくるのが今のSNSだ。アンドリーセン氏は、こういう状況に人々は精神的に疲弊してきており、その反動として一つのテーマについてじっくりと語る長尺コンテンツも人気になってきているという。
同社では短尺コンテンツと長尺コンテンツを組み合わせるという戦略をとっている。具体的には、Xへの投稿や、ショート動画、ポッドキャストといったSNS向けに、それぞれに最適な長さのミームを用意し、自社のブログやポッドキャスト、YouTubeチャンネルを通じて発信する。初速のいいね数や再生数を見て、ヒットしそうなミームがあれば、24時間以内に解説ブログや長尺のポッドキャストを準備して配信するという。
同社のメディアチームは、アンドリーセン氏が情報発信の中で使いそうなデータやグラフ、画像、動画素材を事前に作成し、同氏のミームがヒットしたときに備えているという。
本記事は、エクサウィザーズが法人向けChatGPT「exaBase 生成AI」の利用者向けに提供しているAI新聞「SNSを制する者はメディアを制する 有力VCの広報戦略」(2025年6月26日掲載)を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集の上、転載したものです。
湯川鶴章
AIスタートアップのエクサウィザーズ AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。17年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(15年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(07年)、『ネットは新聞を殺すのか』(03年)などがある。
【イベント情報】学研が挑む"真のDX"
学研グループは、DXを目的化するのではなく、現場と顧客にとって“本当に使われるデジタル”を出発点に教育価値のアップデートに挑戦しています。本講演では、現場で浮き彫りになった課題や、実際に行ってきた改善や仕組みづくり、そこで得られた知見がどのように学研のDX推進を形づくんできたのかをお伝えします。既存のデジタル活用の成果と学びを振り返りながら、学研が目指す“真のDX”の姿をご紹介します。
AI競争は「Googleの圧勝」で終わるのか? Gemini 2.5 Proの衝撃
NTT「IOWN構想」に世界が動き出した 成否を握る“ブレークスルー技術”とは?
OpenAIアルトマンCEOが考える AI時代の「覇権を取る3つの要素」
OpenAIは4年後、何で稼いでいるのか? ChatGPT以外の収益源は?
日立、フィジカルAIに注力 「Lumada3.0」で社会インフラ業務を変革
AIは「4カ月で2倍」賢くなる OpenAI「o3」は知能爆発の入り口か?
OpenAIが目指す「進化版ChatGPT」とは? 「AI時代のOS」になり得るか
DeepSeekにどう対抗? OpenAIやAnthropicが戦略転換を迫られる3つの理由© エクサウィザーズ AI新聞
Special
PR注目記事ランキング