まず、ドムドムバーガーの事例から見てみたい。端的にいえば、その変化は「推し活化」である。
「ロッテリア」が「ゼッテリア」へと名前を変えるのに対し、ドムドムは「名前を守る」。
2026年1月16日の発表によれば、ドムドムフードサービスは株式を取得してMBOを実施し、共同出資者としてスガキコシステムズなどが参加したという。報道では「大切なブランドを未来へつないでいく」という言葉もある。「ドムドム」という名前は残し、他社の力も借りながら、競争が激化するハンバーガー市場で勝負する構えだ。
ドムドムバーガーは、スーパーマーケット大手のダイエーグループが手掛けたハンバーガーチェーンである。マクドナルド上陸以前の1970年に1号店をオープンし、日本最古のハンバーガーチェーンとしても知られている。
ダイエーの衰退に伴って、その経営も傾き、近年では店舗数も減少の一途をたどっていた。しかし、SNSなどでは「ドムドム」について「懐かしい」といったコメントもあり、一部ファンから熱狂的な支持を集めている。ある種の「ファンダム」が生まれているわけだ。コロナ禍の際には、オリジナルキャラクター「どむぞうくん」が描かれたマスクが、一部店舗で販売されていることが話題となり、「コアなファン層」の存在も可視化された。
マクドナルドと比べると、店舗規模は小さいが、むしろその「小ささ」こそが、ファンの一体感を生み出しているのだろう。「私たちがドムドムバーガーを支えたい」という心理が働いているのかもしれない。
その意味では、ドムドムバーガーがMBOという手法で、その名前を残すことに決めたのは、ある種の「推し活」的な流れに乗ったともいえる。商品やサービスがあふれている現在、顧客がある店を選ぶ要素の一つには「情緒的価値」がある。店を取り巻くブランドのストーリーや背景、その商品を手にしたときの「気分」が重要なのだ。その意味で「応援したい」という「気分」を高めさせる推し活的なあり方は、中小規模のチェーンの生き残り方の一つであろう。
だからこそ、ドムドムバーガーは、名前を守り、「コアなファン層」を重視する道を選んだ。
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