一方、リテールメディアにはスマホアプリなどを通じて個別の顧客に直接訴えかけるものもある。総合スーパーを運営するイオンリテールの公式アプリ会員は約1415万人に上り、広告主の企業数は24年度で230社と19年度から10倍以上に伸びた。
170項目に分類した会員の趣味・嗜好(しこう)に合わせ、アプリに表示するお勧めの商品や特典をカスタマイズするなどし、購買率を高めている。同社には豊富な品ぞろえと同時に、膨大な顧客データがあり、田中香織デジタル企画部長は「広告主に提供する情報の幅や深さ」に自信を込める。
米アマゾンに代表される電子商取引(EC)で、過去の購入履歴や検索情報に基づいたピンポイントの広告展開は消費者にとっておなじみになっている。実店舗でも幅広くアプリ会員を募ることを通じて、同様の試みが進んでいる。
サイネージやアプリなどによるリテールメディアの国内市場は右肩上がりで、電通傘下のカルタホールディングス(東京)は25年の国内市場を6066億円と推計。28年に初めて1兆円を超え、29年は1兆3174億円を見込む。コンビニやスーパーにとどまらず、他業態でもキリン堂やエディオンなどが続々と参入している。
リテールメディアは店舗側に広告収入をもたらす。広告料を支払う商品メーカー側にとっても、買いたいものを探している顧客を対象にした広告効果への信頼性が高い。ファミリーマートビジョンと連動した販促キャンペーンを実施したコカ・コーラボトラーズジャパンの担当者は「消費者に直接訴求できる」と利点を強調する。
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