本連載は、国際情勢やビジネス動向を深掘り、グローバルな課題とそれが企業に与える影響を分析する。米中関係やテクノロジー業界の変動、地政学的リスクに焦点を当て、複雑な要素を多角的に捉えながら、現代社会の重要な問題を分析。読者にとって成功への洞察を提供していく。
多くの日本人が日常的に使っているiPhoneやAndroidのスマホ、PCのソフトウェアから無料メールのGmailまで……。これらはすべて米国企業が提供するプラットフォームである。
全国の自治体が2026年3月末までに導入することが決まっている、基幹業務のデジタル化を目的としたガバメントクラウドでも、ほとんどの自治体がアマゾンのAWSを使う。言うまでもなく、同社も米国企業だ。
SNSサービスも、主要なものはほとんどが米国発である。2月8日に投開票された衆議院議員選挙で若者の選挙行動に大きな影響を与えたとされているXや、若者に人気のInstagram、利用者の年齢層が高めのFacebookなども、米国企業が提供している。
こうした状況は、日本だけでなく世界中で見られる。ところが欧州では、こうした米国プラットフォームの牙城に対抗しようとする企業も出てきている。電子メールサービスではProton Mail(プロトンメール)が有名だが、それ以外にも、フィンランドのクラウド企業UpCloudも知られるようになってきた。
そしてSNSの領域でも、米国の独占状態を食い止めようと新たに登場して注目されている企業がある。スウェーデンのW Socialだ。
同社は1月、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)で、欧州を拠点とする新しいソーシャルメディア・プラットフォーム「W」の詳細を明らかにした。このプラットフォームはXに対抗するもので、同社はWを「アルゴリズムよりも人を優先し、言論の自由とプライバシーがスローガンではなく現実として共存するSNS」と説明している。
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