価格差2倍で炎上のラーメン店も インバウンド向け「二重価格」がなかなか普及しそうにないワケ(2/4 ページ)

» 2026年02月14日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

 都内では「海鮮バイキング&浜焼きBBQ 玉手箱」が、二重価格のモデルケースとしてメディアに取り上げられたことがある。

 同店舗ではコースメニューで、日本人もしくは国内在住の客と、それ以外の客に対して1000〜5000円の価格差を設けている。外国人客相手だと言語の壁があり、その接客コストが理由だという。

 玉手箱は外国人客がおよそ2割を占め、二重価格に関してもこれまで炎上していないようだ。英語が話せるスタッフを配置しており、接客で二重価格の正当性が認識されているためだろう。一方で我道家が炎上したのは、言語表記で変える手法が姑息に見えたためだ。

海外では自然に受け入れられている?

 海外観光地で二重価格は一般的だ。アンコールワットやマチュピチュなどが代表例で、アンコールワットではカンボジア国民を無料にした上で、外国人の入場料を約6000円に設定している。

 二重価格は発展途上国に限った話ではない。ニューヨークのメトロポリタン美術館では大人の入場料を30ドルに設定する一方、ニューヨーク州の住民や学生らに対しては「自由」としている。最低0.01ドルとし、入場料は住民自身が決定できる。以前は出身関係なく自由に設定できたが、年間300万ドルに及ぶ運営費をまかなうため、域外の住民に対しては固定制にした。

 パリのルーブル美術館も1月14日から二重価格を導入し、欧州在住者を22ユーロ、域外からの観光客を32ユーロに設定した。老朽化に伴う大規模改修の費用を賄うことを目的としている。大規模観光地の二重価格は運営コストや修繕費などの大義名分があるため、受け入れられやすい。また、行政や公共機関が運営しているため「ぼったくり」と認識されず、支払う側が抵抗感を抱きにくい。

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