吉野家は都心の一部店舗で「Recommended menu」なるものを用意し、2000円台の鰻重定食を訴求した。日本語と外国語を併記し、国籍別に価格を分けているわけではないものの、外国人向けに高価格帯のメニューを訴求するのが大手のやり方だ。
東京・浅草のとあるステーキ店は、数千円から2万円以上まで、メニューの幅を広げて多様な客に対応している。日本人客は数千円の料理を頼むことが多いが、外国人の中には2万円以上でも安いと積極的に頼む客がいるという。これも二重価格ではなく、料理の質で差を付けている。
二重価格を導入したい飲食店からは、「外国人対応に手間がかかる」「説明に時間がかかる」という反論が来るかもしれない。だが、その場合は丁寧な説明や外国語での接客という明確なサービスに対して料金を取る施策を提案したい。外国語を話せるスタッフがいない場合「日本語以外で接客しない」というスタンスを取れば問題ない。国籍で差別しているのではなく、あくまでも店舗側の能力で区別しているに過ぎないためだ。
これまで考察したきたように、国内で二重価格を導入しようとすると、金銭面のメリットよりも、炎上・トラブルなどのデメリットの方が大きいと考えられる。インバウンド対応の一環として話題になることも増えてきた二重価格だが、導入は観光施設や公共施設に限られるだろう。
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山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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