「ダヴ」(Dove)などで知られる消費財大手英ユニリーバが、中東における紛争拡大の影響を理由として「全ての職位における」世界的な採用凍結を、少なくとも3カ月間実施していることが、ロイターが入手した社内メモで明らかになった。
先週後半に従業員へ送付されたこのメモ(これまで未報道)によれば、採用凍結は即時発効し、1カ月前に始まったイラン戦争に起因する「重大な課題」を見据えて決定されたとしている。
今回の決定は、同社が進めてきたコスト削減施策の一つである。同社は従業員数を2020年時点の約14万9000人から、現在は9万6000人まで減少させている。
航空業界から小売業界に至るまで、世界中の企業はイラン戦争の影響に備えるべく対応を急いでいる。この戦争は世界の貿易の流れを混乱させ、石油・ガス供給において史上最悪の混乱を引き起こしている。エネルギーコストの急騰はすでに他市場にも波及しており、化学やプラスチックといった産業の生産を減速させている。
「マクロ経済および地政学的な現実、とりわけ中東紛争は……今後数カ月にわたり重大な課題をもたらす」と、ユニリーバのパーソナルケア事業部門責任者ファビアン・ガルシア氏は従業員向けメモで述べた。
「これを踏まえ、ユニリーバの経営執行チームは、全ての職位における世界的な採用凍結に合意した。本措置は即時発効し、最低3カ月間継続する」
ロンドンに本拠を置く同社は、世界でも有数の著名ブランドを多数保有している。同社は販売地域で製品の大半を生産しているものの、製造にあたってはエネルギー集約型である化学品、食品、包装材などの原材料を調達している。
ユニリーバは声明で「不確実な外部環境」を理由に「採用を一時的に停止する決定を下した」とし、「必要に応じて常に計画を調整する」と付け加えた。
今回の採用凍結は、同社が2024年から実施している既存のコスト削減プログラムに加わる措置である。このプログラムは、今後3年間で約8億ユーロ(約9億1672万ドル)のコスト削減を目指している。当時提案された変更は、主にオフィス勤務を中心に、世界で約7500人の雇用に影響を及ぼすと見込まれていた。
同社の現在の従業員数は9万6000人であり、2020年時点の約14万9000人から減少している。
同社は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック以降、各事業における販売数量の伸び悩みに直面している。3月20日には、食品事業を競合であるマコーミック(McCormick & Company)に売却する交渉を進めていると発表した。
提案されている統合が実現すれば、最高経営責任者(CEO)フェルナンド・フェルナンデス氏の下で大規模な事業再編となる見通しだ。ロイターが先週後半に報じたところによれば、英国に本拠を置く同社の株主が新会社の過半数株式を引き続き保有する可能性が高い。

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