山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
百貨店のインバウンド売上(免税売上)が減少している。中国政府は2025年11月、自国民に対して日本への渡航自粛を要請。これにより中国人客が減少したためだ。日本百貨店協会によると、2025年12月から2026年2月までの間、免税の客数は前年比で約2割減少し、免税売上高は前年同月比でマイナス15%を下回る状態が続いている。
これに対し、ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック ・インターナショナルホールディングス(PPIH)の免税売上高は堅調だ。2025年11月から2026年1月までの実績は前年同月比で20%以上のプラスであり、中国以外の売上高も堅調なようだ。各国のインバウンド客に“圧縮陳列”が珍しいものとして認識され、観光地化している。
2026年1〜2月の中国からの訪日外客数は約78.2万人で、170万人だった前年同期から54%減少した。中国人観光客は前年の段階で全体の4分の1程度に過ぎないが、百貨店業界の免税売上における中国人客への依存度は大きいため、冒頭の通り業界は大打撃を受けている。例えば2024年度時点で高島屋の免税売上高のうち58.0%が中国人であり、大丸松坂屋百貨店では同65.6%となっている。
中国人客が百貨店で購入するのは化粧品やハイブランド品など、百貨店らしい商品だ。円安に伴い宝石類や時計などの高額品も伸びた。見栄えやラグジュアリー感を求める性格的な要因もあり、彼らは昔の日本人のように百貨店で消費している。
インバウンド人数を国別にみると2025年は韓国人が最多だが、日本旅行の目的はコト消費が主とされ、百貨店での売上高比率は低い。その他の東南アジア各国も同様で、所得も関係していると考えられる。
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