その「時代に合わせた」機能の一つが、小説執筆の支援だ。「一太郎2017」から複数の小説投稿サイトに応じたルビの出力機能や、小説執筆に集中できる「もの書き」向けの操作環境を用意した。印刷所へのデータ入稿もサポート。最新版では、個人出版できるアマゾンのKDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)のペーパーバック対応レイアウトが簡単に行える機能が追加された。
「文学フリマ(文学作品展示即売会)も年々人が増えて全国で開催され、自分の作品を世に出したいという需要が高まっているのを感じる」と佐々木さん。「物書きの方にプロの道具として使っていただいているのとは別に、一般の全ての小説を書かれる方に対して、一太郎は執筆活動をサポートしていきたい」
最新版には、生成AIを活用した文章作成アシスタント「ATOK MiRA(エイトックミラ)」を搭載した。日本語入力機能のATOKは高い変換効率で定評があるが、MiRAは入力した文章についてユーザーが「より丁寧に」「子供に話しかけるようにして」などと自由に指示すると、リライトした文章が提示される。
企画開発グループセクションリーダーの椋本佳範さんは「かな漢字変換では正しい漢字を候補から選択するが、MiRAは文章自体の選択肢をユーザーに持ってもらうのが目的」と話す。他のAIサービスとも競合する機能だが、椋本さんは「自分が本当に伝えたかった内容にユーザーが自ら気づいていただけるよう、AIが表現を広げる新たなライティング体験をお届けしたい」という。
同社は平成4年に作家の紀田順一郎を座長にした「ATOK監修委員会」を作るなど、ユーザーが日本語入力で頼っているパソコンの辞書に規範性を持たせる取り組みを古くから行い、一方で方言も取り込んだ「一人一人のATOK」を目指してきた。生成AIがその延長線上で今後どう生かされるのか、注目だ。
ソニーは、なぜレコードを捨てなかったのか 7年ぶり新プレーヤー投入の背景copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
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