サンマルクHDの主力業態といえば、駅前の繁華街に多く展開されているサンマルクカフェを思い浮かべる人が多いだろう。店内で焼き上げる「チョコクロ」を看板商品とし、コーヒーとともに楽しむスタイルで支持を集めてきた。
サンマルクカフェは1999年、東京・銀座に1号店を出店。パン好きに人気のベーカリーレストラン「サンマルク」が手掛ける低価格カフェとして注目を集めた。郊外ロードサイドを主戦場とするサンマルクに対し、サンマルクカフェは大都市の駅前立地で成長を遂げていった。
しかし、2018年3月に402店舗まで拡大した後は伸びが鈍化。2019年に404店舗、2020年に405店舗とほぼ横ばいにとどまり、出店と同時に閉店も進む状態が続いた。ブランド誕生から20年が経過し、徐々に時代とのズレが生じ始めていた。
ちょうどその頃、都市部の駅前で急速に広がったのがタピオカドリンクで、小腹を満たす軽食として支持が広がった。
チョコクロとコーヒーを組み合わせる従来の喫茶スタイルは、もちもち食感のタピオカ入りミルクティーを1杯で楽しむ新しい“おやつ”に置き換えられていった。こうしたデザート性の高いドリンク分野への対応で、サンマルクカフェは後手に回ってしまったのである。
そこに追い打ちをかけたのがコロナ禍だ。駅前立地を主力としていたサンマルクカフェは、大きな打撃を受けた。2025年9月時点の店舗数は283店舗にまで減少し、コロナ前から約3割減。採算性の低い店舗を中心に、閉店を余儀なくされた。
こうした反省を踏まえ、サンマルクカフェでは商品戦略の見直しを進めた。2026年4月24日から7月2日にかけては、「濃密」をテーマにしたシーズン商品4種を投入。近年はこのような季節限定商品で新鮮さを打ち出し、来店頻度の向上を図っている。
ラインアップは、「プレミアム濃密抹茶チョコクロ」「濃密抹茶パフェ」「濃密ピーチスムージー」「濃密ピーチティー」の4品だ。抹茶商品は、京都の老舗日本茶専門店「祇園辻利」とコラボ。ピーチスムージーは白桃の果肉感を前面に打ち出し、720円とやや高価格ながら満足度の高い仕上がりとなっている。
従来の「低価格カフェ」という枠にとどまらず、多少価格帯が上がっても高品質な商品を提供することで、“滞在して楽しむ場”としての需要も取り込もうとしている。足元では、この戦略は一定の成果を上げている。
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なぜ、コメダの営業利益率は高いのか? 主要カフェチェーン決算比較で見えた“稼ぐ構造”Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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