「米屋」の休廃業、3年ぶり減少のワケ コメ騒動で苦境から一転

» 2026年05月12日 05時30分 公開
[ITmedia]

 帝国データバンクは「米屋」(コメ卸・小売業)の休廃業・解散件数について調査・分析した。2025年度に発生した休廃業は75件で、3年ぶりに前年度(82件)を下回った。

「米屋の休廃業」、3年ぶり減少(提供:ゲッティイメージズ)

 米屋を巡っては、猛暑や少雨による不作に加え、地震などに伴う買いだめ行動が重なり、2024年夏以降に「令和のコメ騒動」と呼ばれる深刻な品薄が発生した。十分な在庫を確保できなかったり、仕入れ価格の高騰で採算が悪化したりして、休廃業に追い込まれるケースもあった。

 2024年秋以降は新米の流通開始で供給不足が徐々に緩和したものの、スーパーなど量販店では販売制限が続いた。このため「価格が高くても確実に米を入手したい」消費者や外食事業者が、独自の仕入れルートを持つ米屋に流入したという。

「米屋」休廃業解散の件数(出所:プレスリリース)

 帝国データバンクは「相対的に在庫を保有している米屋では、極端な品薄と価格高騰による影響で、古米のほか、コメ騒動直前に仕入れた在庫米でも販売単価が劇的に上昇し、予期しなかった『利益』を生み出した」と分析する。加えて、国産米より割安なミニマムアクセス米など輸入米の販売も好調で、資金繰り改善につながった。

 2025年度の損益状況をみると、米屋の約8割が前年度から「増益」となり、過去20年間で最高を記録した。「赤字」の割合も初めて1割を下回った。

 営業利益率も、2025年度は約240社平均で約5.0%となり、前年度の1.8%から大幅に改善した。

 帝国データバンクは、こうした収益改善について「昨今の価格高騰が生み出した利益増による恩恵が大きく、経営努力による本質的な競争力改善とは言い難い」と指摘する。2026年度はコメ不足から一転して供給過多となる可能性もあり「米屋の廃業は再び増加する懸念が高まっている」とした。

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