楽天経済圏が“鎖国”を開放し始める。
楽天グループ、楽天ペイメント、ファミリーマートの3社は5月22日、全国のファミリーマートを、ECモール「楽天市場」のポイントアッププログラム「SPU」(スーパーポイントアッププログラム)の対象にすると発表した。7月1日から追加する予定で、楽天グループ外のサービスがSPUの対象になるのは、ファミリーマートが初となる。
SPUは、対象となるサービスの条件を達成した顧客に対し、楽天市場での買い物のポイントをアップするプログラムだ。今回のパートナーシップによって、ファミリーマートで楽天ポイントカードを提示し、月間3000円以上の買い物をした顧客に、その月の楽天市場の買い物に対し+0.5倍の楽天ポイントを付与する。これによって、SPUの最大ポイント倍率は18.5倍となる。
今回のパートナーシップについて、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は「楽天ユーザーは自然とファミリーマートでの買い物が増える。新しい形でのオフラインとオンラインのシームレスなつながりを実現できるのではないか」と話す。
ファミリーマートの小谷建夫社長は「デジタルプラットフォーマーである楽天グループと、全国1万6000店のリアルな顧客接点を持つファミリーマートが連携を深めることは両者の価値を相乗的に高める」と期待を寄せる。
今回のパートナーシップは楽天グループ側からの申し出で始まったという。同社はECを中心にフィンテックや通信など70超の幅広い事業を展開しており、その楽天経済圏と呼ばれるエコシステム内の会員基盤は1億以上のIDを有する。このうち日本国内の月間アクティブユーザーは4588万人、サービスを2種類以上横断して利用している割合は8割弱に達する。
総務省の「電気通信市場検証会議」(2024年12月9日)によると、ポイント経済圏の中でトップを走るのは「Vポイント」で会員数は約1億5400人。楽天ポイントが約1億4500人、Pontaポイントが約1億1900人と続く。このうちVポイントはファミリーマートに加え、2024年10月からはセブン-イレブンとの連携も開始した。同月にはローソンも、KDDIと連係を強化する「Pontaパス」を立ち上げている。
経済圏の拡大でしのぎを削り合う競合が「コンビニ」という巨大な店舗網・顧客接点を取り込む中、ECモールがルーツにありデジタルサービスが中心の楽天経済圏にとってもパートナー探しは急務だったといえる。楽天グループの河野奈保氏(取締役副社長執行役員・グループCMO)はこう話す。
「これまで楽天グループは経済圏とともにビジネスを拡大してきた。根本にあったスタンスは、楽天という単一のブランドにて、どんなチャネルでも同じ体験・価値を提供すること。ただ、昨今はさまざまなポイント経済圏が誕生しており、ユーザーの求めに応じて価値を高めていくことが必要だ」
そこで、楽天グループが目をつけたのが、以前から関係性があるファミリーマートだった。
両社の関係は、20年近く前に始まった。2007年5月に「楽天ブックス@ファミマ受取便」を開始。同年7月からは「楽天Edy」、2018年12月からは「楽天ペイ」、2019年11月からは「楽天ポイントカード」を導入した。
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