――AIの登場によって、制作物にどれだけ時間や労力をかけたのかが伝わりにくくなっているのですね。高山さんは「どうせAIでしょ」と思われないために工夫していることはあるのでしょうか。
最近はプレゼン資料を手書きにしています。絶対にAIじゃないと伝わるので。ノートにプレゼン資料を書いて持っていくんですよ。それで努力を見せています。
――PCがあるのに、あえてノートに手書きなのですね。殴り書きのようにも見えますが、顧客のためにいろいろと考えを巡らせたんだろうなというのが伝わってきます。
ちょっと、あそこを見てもらえますか。
高山氏が指さした先には、「貸広告」と大きく書かれた紙がBaRプードルの壁に貼ってあった。手書きなので、PCで整えたデザインとは違う独特の味がある。
――完成度そのものよりも「誰がどのように作ったか」が価値になる場面も増えているということですね。手書きには「この人が書いたんだな」という人間らしさがあります。
俺、字はずっと下手なんですよ。でも、下手なものって味わい深いんです。手書きで「高級ワイン」とだけ書いたポスターも貼っていますが、意外と売れるんですよね。今みたいな時代だからこそ、アナログな技が使える。
物事にはカウンターがあるんです。何かが流行ると、その反対側にも価値が生まれる。だから「今みんなが何をやっているのか」を見て、その逆は何かを考える。
――話を聞いていると、高山さんはAIにはない「人間らしさ」に価値を感じているように思います。その考え方は「プロ飲み師」として年間360日飲み歩く理由にも通じているのでしょうか。
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