ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。
AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。
かつての日本の住宅では「バルコニー」や「和室」は当たり前の存在だった。しかし近年、新築住宅でこの2つの空間を設けないケースが増えている。
積水化学工業の研究機関である住環境研究所(東京都千代田区)の調査によると、2018〜2022年度に全国で建築されたセキスイハイムの戸建て住宅(2階建て・単世帯)では、バルコニーを設けない割合が10.8%から30.6%に増加。また、和室の採用率は2018年度の59.4%から2024年度には23.5%まで低下している。
背景には、建築費や土地価格の上昇を受けて住宅がコンパクトになっていることに加え、共働き世帯の増加などによるライフスタイルの変化があるという。なぜバルコニーや和室は新築住宅から姿を消しつつあるのか。住環境研究所 暮らし住まい研究室の佐藤しのぶ氏に話を聞いた。
バルコニーを設けない住宅の割合は、2018〜2022年度の5年間で約3倍に増えた。特に若年層でこの傾向が顕著で、30歳未満では37.9%が「バルコニーなし」を選択している。
その代わりに増えているのが「ランドリールーム」や「洗面・脱衣室の物干しスペース」だ。2022年にはバルコニーがない住宅の68.3%が採用していた。
ランドリールームは、洗濯機を置くだけでなく、物干し竿を設置して室内干しができる、2畳程度のスペースのことだ。乾いた洗濯物をそのまま掛けておき、収納スペースとして活用するケースもあるという。
佐藤氏によると、バルコニーが減少している背景の一つに「共働き世帯の増加」があるという。夜間に洗濯したり乾燥機を使ったりする家庭が増え、ランドリールームなどを設けて家事動線を効率化する間取りが注目されている。
仕事や食事の準備、子育てなどに追われる中、洗濯物を持ってバルコニーまで移動して干し、乾いた後に取り込むよりも、洗濯機の近くで干して収納まで済ませられる方が、家事の負担を減らせるためだ。実際、バルコニーがある30歳未満の世帯でも「洗濯物をバルコニーに干す」と回答した人は47.5%にとどまっている。
加えて、バルコニーにたまる砂ぼこりの掃除や、洗濯物に虫が付くことを避けたいという声も多い。花粉や黄砂、ゲリラ豪雨といった天候などの影響も、室内干しを選ぶ理由になっている。
このように、さまざまな面で「外に干す」ことのメリットが薄れているのが現状だ。佐藤氏は「外干しの方が気持ちいいと感じる人も多く、バルコニーがなくなることはないと思う。ただ、時短ニーズも高まっており、バルコニーは今後も減少していくのではないか」と話した。
明暗分かれた「無印良品」と「ニトリ」 2社の差はどこで生まれたのか
16年ぶりに『学研の学習』が復刊 4290円でも予約殺到、AI時代に求められる“体験”の価値Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング