昨今、AIの業務活用が進んでいます。AIを利用すれば、今までよりも障害者が働きやすい環境を実現できるメリットがあります。
例えば、音声入力により聴覚障害のある人はコミュニケーションが容易になります。複雑な文章の理解が難しい人に対して、平仮名などの簡単な言葉に変換して作業手順を教えてくれるツールも、AIで作成できます。
一方で、データ入力などの単純作業はAIに代替されつつあります。製造現場における組立作業なども、産業ロボットを利用して人手をかけずにできるようになりました。
AIは体や精神のハンディキャップを補ってくれる半面、単純な事務や製造の仕事を奪っています。社労士である筆者にも「障害者に割り振っていた仕事がなくなってしまうが、どうすべきか」という相談が増えてきました。
新たに障害者を雇用すれば、支給される助成金などもあります。経営者にとっては魅力的な制度に映りますが、雇用する前に、一度自社の状況を検討した方が良いでしょう。
特に正社員として雇用した場合、今後AIやロボットの導入が進み、割り振っていた仕事がなくなっても、雇用し続けなければならない状況が発生しかねないからです。まずは、社員それぞれが担当している業務を洗い出して、今の担当者しかできないのか、AIなどで代用できるものなのかをチェックしましょう。
代行業者を利用する場合も同様です。業者が指定する就業先で、働くことに応募した人が納得しているのかの確認が不可欠です。目先のお金の出入りだけで判断するのは賢明ではありません。
佐藤敦規(さとう あつのり)
社会保険労務士。中央大学文学部卒。50歳目前で社会保険労務士試験に挑戦し合格。三井住友海上あいおい生命保険を経て、現在では社会保険労務士として活動。法人企業の助成金の申請代行や賃金制度の作成に携わっている。 社会保険労務士としての活動以外にも、セミナー活動や、「週刊現代」「マネー現代」「プレジデント」などの週刊誌やウェブメディアの記事を執筆。 著書に、『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)、『リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方』『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』(以上、クロスメディア・パブリッシング)などがある。
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