Googleでは新たに「AI Max」(AI最大化設定)と呼ばれる機能をリリースする予定だ。これは多様化&長文化するユーザーの検索行動に合わせて、広告クリエイティブをリアルタイム生成する機能である。
従来のようにユーザーが単語で検索しているうちは、あらかじめ作成しておいた素材を組み合わせるやり方で事足りていた。「検索エンジンはいつも自分のインテント(検索意図)を正しく理解してくれる」という期待が、ユーザーの中でさほど高くはなかったからだ。
だが、AI検索に慣れたユーザーは違う。
人間同士の会話の中で、自分が期待する答えが相手から返って来ないと「なぜこの人は自分の質問の意図を正しく理解してくれないのか」と違和感を覚え、相手に対する不快感や不信感を募らせることがある。
同様に、AI検索に慣れたユーザーは、自分のインテントに対する深い理解と結果の正しさを求める。そこで、個々のインテントに合わせて、広告クリエイティブを柔軟に作り変えられるAI Maxの出番となるわけだ。
グーグルの大河文氏(ヘッドオブパフォーマンス)は、こう語る。
「AI Maxの成果を最大限に引き出すには、広告の受け皿となるランディングページの最適化が欠かせない。GoogleのAIはランディングページの情報を解析することで、最適な検索語句とのマッチングを行い、精緻なターゲティングを可能にする。また、GoogleのAIは、広告クリエイティブを生成するための重要な学習シグナルとしても、ランディングページを活用している。つまり、ランディングページは単なる広告の飛び先にある着地点ではなく、“AIが学習を深めるための最重要アセット”なのだ」
続いて大河氏は、AI Maxの活用事例としてオープンハウスの事例を紹介した。
オープンハウスのランディングページは、従来、会員登録をしなければ物件の詳細情報が見られない仕様になっていた。いわゆる「マスクされたランディングページ」である。これではAIがランディングページ内のコンテンツを読み取ることができない。
そこで、会員登録なしでも多様な物件情報を閲覧できるオープンなページへと、設定を変更することにした。その結果、AIが捉えられるシグナル量が増加。「ユーザーが長文で検索するキーワード」と「オープンハウスの持つ豊富な物件情報」との高精度なマッチングが可能となり、最終的なコンバージョン数(物件の資料請求や現地の見学予約)は、前年比で63%向上した。
「現在のユーザーは、AIから自分専用の回答を得る体験に慣れているため、広告のランディングページに対しても、自分専用の体験を期待する傾向にある。オープンハウスの事例のように、ランディングページから得られる学習シグナルを充実させることで、AIがより賢く働けるようになる」(大河氏)
他にもグローバルでは、AI Maxを活用し、欧州最大級の航空会社ルフトハンザ グループはROAS(広告費用対効果)を24%向上させ、IKEAはブランド名を含まない一般キーワードからのクリック数を65%増加、及び純増ROASも28%向上させる成果を上げているという。
最後に、GoogleのAI検索に対応したコンテンツ作成のヒントを記載しておく。
1.自社にしかない価値を具体的に発信する
……一般常識の枠を超えて、専門性の高いコンテンツを発信する。
2.ページに流入したユーザーに、優れた体験を提供する
……高速かつレスポンシブで、視覚的に分かりやすく読みやすいサイトを設計する。
3.関連性が高くて高品質な画像と動画を追加する
……AIの回答に動画や画像が引用される可能性があり、露出機会の増加につながる。
4.人にもAIにもアクセスしやすい状態を維持する
……AIにとってクロール可能で、人にも読みやすい適切な方法でコンテンツを整理する。
5.コンテンツを読みやすく構造化する
……明確な見出しでセクション分けされた、分かりやすいページ構成で情報を発信する。
6.重複コンテンツを削除する
……不要なURLにクロール予算を浪費しないよう、重複URLを削減する。
7.ローカル ビジネスと商品フィードを最適化する
……Merchant CenterとGoogleビジネスプロフィールに正確な情報を反映する。
8.エージェント エクスペリエンスを意識する
……人間とAIエージェントの双方に向けた、構造的でセマンティックなサイト構築を目指す。
9.自社にとって重要な指標を見極めて測定する
……リード数、登録数、売り上げなど、事業目標に密接につながる指標を見極めて、成果を測定する。
10.適切なSEOは、すなわち適切な“GEO/AEO”
……AI検索への最適化は検索体験全体の最適化であり、基本は従来のSEOと同じである。
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