ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。
AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。
佐久間俊一(さくま しゅんいち)
レノン株式会社 代表取締役 CEO
グローバル総合コンサルファームであるKPMGコンサルティング、ベイン・アンド・カンパニーなどで小売業・消費財メーカーを担当。2022年3月小売業と消費財メーカーの戦略とテクノロジーを専門にコンサルティングするレノン株式会社を設立。著書に「小売業DX成功と失敗」(同文館出版)などがある。
無印良品の強さについては、シンプルなデザインや統一された世界観、素材を生かした商品開発など、さまざまな報道がなされてきました。確かに、いずれも無印良品を理解する上で欠かせない要素です。
一方、同ブランドがどのように成長し、利益を生み出しているのかを捉えるには、ブランドイメージだけでなく、売上高、粗利、店舗数、商品構成、海外事業といった数字をつなげて見る必要があります。運営会社である良品計画の10年間の業績において、最も注目すべきは、店舗数、売上高、売上総利益が異なる速度で伸びている点です。
上のグラフにあるように、2016年を100%とした場合、2025年の合計店舗数は186%、売上高は255%、売上総利益は268%まで伸びています。店舗網の拡大以上に売り上げが増え、さらにそれを上回る速度で粗利が増えているのです。
2016年2月期の売上高は3071億円、売上総利益は1501億円、営業利益は344億円でした。2025年8月期には、売上高7846億円、売上総利益4029億円、営業利益738億円となっています。比較可能な無印良品の国内外店舗数も倍増近くまで拡大しました。
ECの拡大や為替、店舗の大型化といった影響もあるため、単純に「1店舗ごとの売り上げが伸びた」とまでは言えません。しかし、ただ店舗を増やしただけでなく、それ以上の勢いで売上高と粗利を伸ばしてきたのは間違いありません。
2028年8月期に向けた成長戦略では、出店拡大に加え、日本で培った商品計画や店舗運営の海外展開、商品開発体制の強化、OMO、SCM改革などを成長ドライバーとして掲げています。
これらを大きく整理すると、店舗を増やす「量の拡大」と、商品開発、在庫、生産、販売計画を改善する「質の向上」を同時に進める戦略です。
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