岡山空港(岡山市)は1988年に開業した。コロナ禍を除くと国内線は年間100万人以上、国際線は20万人前後が利用している。国際線はソウルや台北便などが就航している。JR岡山駅までのアクセスはバスで約30分と良好だ。
同空港は開港30周年を記念して、2018年に「岡山桃太郎空港」という愛称を制定した。桃太郎伝説は、大和王朝から西国の敵を倒すために派遣された吉備津彦命(きびつひこのみこと)の話がモデルとされており、空港の愛称はその伝説にちなんだ。県は愛称を公募し、その中から決定したという。
肝心の乗降客数は回復していない。2019年には161万人を記録したが、コロナ禍で34万人にまで減少した。その後は回復基調にあるが、2025年度は147万人で以前の水準を下回る。岡山空港に限らず、コロナ禍後の国内線はオンライン会議の普及や宿泊費の高騰によりビジネス利用が低迷しており、その影響を受けたと考えられる。
鳥取空港(鳥取市)は1967年に開業し、2015年に「鳥取砂丘コナン空港」の愛称を制定した。国内線の定期便は羽田便のみで、国際線はチャーター便のみが就航している。観光地「鳥取砂丘」と、漫画『名探偵コナン』の作者である青山剛昌氏が鳥取県出身であることに由来する。『名探偵コナン』が持つ全国的な知名度を生かして鳥取を発信することが目的だという。
2015年の鳥取空港の乗降客数は約37万人で、2019年の実績は約42万人だ。コロナ禍で激減したものの、2025年には41万人台に回復した。新しい愛称による影響を受けたように見えるが、実は以前から乗降客数の増加が続いている。
鳥取県は2010年代から知名度向上や観光PRに努めてきた。漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の作者・水木しげる氏の出身地である鳥取県境港市にある商店街「水木しげるロード」も、人気の観光地の一つだ。同市にある米子空港は、2010年に「米子鬼太郎空港」という愛称を採用した。こうした取り組みに加え、羽田便で鳥取、米子の両空港を押さえるANAも、低単価の運賃で集客を後押ししてきた。
近年では愛称により、鳥取砂丘コナン空港自体が観光地化している。だが、改名だけでは他の珍名空港と同じ結末をたどっただろう。同空港の利用者数の増加は県全体の観光促進が成長の下地になった。
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