2012年に羽田の発着枠が変更となった際には国内線でANAが8枠を取得し、JALの取得はわずか3枠にとどまった。経営破綻後、公的支援を受けていたことがJALの減点材料になったとされる。
ANAは、過去の規制や公的支援を理由に均等配分を正しいとする一方、JALは不公平だと訴えた。民間のANAと、事実上の“半官”だったJALによる対立の歴史は長く、競争はマイレージプログラムやホテル事業者との協業にも及んだ。
しかし、ここにきて初のダイヤ調整を実施することに。対象となった羽田〜岡山は朝と夜に便が集中する。
ダイヤ調整により、羽田発ではANAの便が午前7時25分に出発した後、午前8時20分にJAL便が飛ぶ。現在は5分差の午前10時台も、調整後はANAが午前10時発、JALが午前10時35分発となる。午後8時台の最終便も出発時刻は近いが、それでも15分差だ。
岡山発の便では、現在午前7時5分発で重複している便を5分(ANA)と15分(JAL)に分散する。両社とも往復5便体制を維持するが、概ね30分〜1時間程度、出発時間が開くことになる。利用客から見れば選択肢が増えた形だ。
ダイヤ調整の背景にあるのが収益性の悪化だ。両社とも航空便ごとの収益は公表していないが、岡山空港の乗降客数は減少している。2019年は161万人だったがコロナ禍で34万人に減少。その後回復したものの、2025年度の実績は147万人と以前の水準には届いていない。
高松空港や松山空港など、両社の出発時間が近い便は他にも存在する。このうち岡山空港が異なるのは、飛行機以外の交通手段も充実している点にある。
東京駅から岡山駅間の所要時間を比較すると、新幹線・航空機の差は大きくない。新幹線の場合、「のぞみ」でおよそ3時間10分程度だ。一方で飛行機に乗る場合、東京駅から羽田空港まで行くのに30分を要する。羽田空港〜岡山空港の便は1時間25分であり、岡山空港から岡山駅までの所要時間はバスで30分だ。移動時間だけで2時間半だが、手荷物検査やチェックイン手続きなどを含めると3時間を超える。
航空機の優位性は低いため、同区間における航空便のシェアは3割にとどまるとされる。強力な新幹線の存在が両社のダイヤ調整を促した。
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