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「採用したが、期待外れだった」社員 試用期間の終了時に本採用を拒否できる?

» 2026年09月24日 08時00分 公開
[仲奈々ITmedia]

社労士Q&A

従業員の皆さんが「あれ?」と思っている社内規定や人事制度。人事や総務など管理部門の皆さんが「こんなときどうすれば……」と迷っている制度設計や問い合わせ対応。そうした疑問を、社会保険労務士の佐藤敦規先生に聞いてみました。


回答者プロフィール

佐藤敦規(さとう あつのり)

社会保険労務士。中央大学文学部卒。50歳目前で社会保険労務士試験に挑戦し合格。三井住友海上あいおい生命保険を経て、現在では社会保険労務士として活動。法人企業の助成金の申請代行や賃金制度の作成に携わっている。 社会保険労務士としての活動以外にも、セミナー活動や、「週刊現代」「マネー現代」「プレジデント」などの週刊誌やウェブメディアの記事を執筆。 著書に、『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)、『リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方』『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』(以上、クロスメディア・パブリッシング)などがある。


Q: 3カ月の試用期間を設けて採用した社員が、指示した業務を期限通りに終えられない、周囲とうまくコミュニケーションが取れないなど、期待していた能力や適性を満たしていません。指導しても改善が見られない場合、試用期間の終了時に本採用を拒否できますか?

qa 試用期間終了後の本採用、拒否できる?(提供:ゲッティイメージズ)

試用期間終了後の本採用、拒否できる?

A: 本採用を拒否すること自体は可能です。ただし「試用期間だから」という理由だけで簡単に辞めてもらえるわけではありません。

 重要なのは「能力が足りなかった」という会社側の評価だけで終わらせず、その理由を客観的に説明できる状態にしておくことです。

 例えば、日報などを使って、どのような仕事を任せ、どこでつまずいていたのかを記録します。その上で、会社がどのような指導や教育を行ったのか、それでも何が改善しなかったのかまで残しておきます。

 「仕事ができない」「コミュニケーションが苦手」といった抽象的な評価だけでは、会社側の主観と受け取られかねません。どの業務で、どのような問題が起きていたのかを具体的に示せることが重要です。

 遅刻や欠勤などの勤怠上の問題であれば記録が残るため、客観的な理由を示しやすいでしょう。一方、能力や適性を理由にする場合ほど、何ができていなかったのか、その事実を具体的に残しておく必要があります。

 また、中途採用と新卒採用では、本採用拒否を判断する際の事情も変わります。

 中途採用では「この仕事を任せる」「この程度の経験やスキルを求める」といった採用時の期待が新卒採用よりも明確です。そのため、求めていた水準に達していなかったことも説明しやすくなります。

 一方、新卒採用では、入社時点で担当業務や求める能力がはっきり定まっていないことも少なくありません。その状態で「能力が足りない」という理由だけを挙げても、本採用拒否の根拠としては弱くなりやすいでしょう。

 本採用を拒否する可能性があるのであれば、試用期間が終わる直前になって判断するのでは遅いです。期間中から問題点を伝えて改善を求め、その経緯を記録しておくことが重要です。

 会社が見るべきなのは「試用期間中に期待通り働けたか」だけではありません。何を求め、何ができず、会社がどう指導し、それでも何が改善しなかったのか。そこまで説明できる状態にしておく必要があります。

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