5000円のお見舞金で幕引き? GMO熊谷社長「そうではない」──不正アクセスの真相と“後手の悔恨”【ブログ全文】(4/5 ページ)

» 2026年10月26日 12時02分 公開
[産経新聞]
産経新聞

なぜ、防げなかったのか――経営者としての反省

 私は31年前の創業以来「インターネットは人々を笑顔にするためのものだ」と信じ、事業を続けてまいりました。

 しかし、現実はあまりにも厳しく、今やインターネットは悪意ある者たちが人々を脅かし、略奪するための道具へと変貌しつつあります。

 「この壊れかけた空間を、次の子どもたちの世代へこのまま引き継ぐわけにはいかない」――その強い危機感から、私は5年前にイエラエセキュリティ社と出会い、グループとして本格的にサイバーセキュリティ事業への参入を決断いたしました。

 それだけに、「グループ内に国内屈指のセキュリティのプロを擁しながら、なぜ今回の事態を防げなかったのか」という皆さまからの厳しいご叱責は、痛いほど胸に突き刺さっております。

 言い訳ではなく、事実としてお話しいたします。

 本サービスのセキュリティに関しても、社内のホワイトハッカーから改善すべき課題が事前に現場へ指摘されておりました。現場チームもその指摘を受け止め、対策を進めておりました。

 しかし、サービスの可用性への影響や他の対処事項との優先順位を考慮しながら慎重に対応を進めた結果として、その対応の深度とスピードが十分ではなく、攻撃者にその間隙を突かれてしまいました。プロを抱えながら、その知見を組織として完璧に防御へ昇華しきれなかったことを、私は深く反省しております。

 誰よりも深い悔しさを噛み締めているのは、危険を察知し警告を発していた現場のホワイトハッカーたち自身であり、防ぎきれなかった技術陣です。

民間の総力を挙げ、国と連携して立ち向かう

 だからこそ今、GMOサイバーセキュリティbyイエラエやGMO Flatt Securityをはじめとする200人の精鋭たちは、専門家としての誇りと意地をかけ、自ら決起し、お客さまに安心してご利用いただける状況とできるよう、全力で取り組んでいます。

 私たちは、単に国へ対応をお願いしているのではなく、民間の側で持てる力をすべて注ぎ込み、捜査と防御を前進させる布陣を敷いています。

(1)自社の責任と負担の完遂

 お客さまへの補償対応、代替環境の提供、システムの刷新などにかかる費用は、しべ手自社の責任において引き受けます。「民間の負担を国に負わせる」ような意図は一切ありません。

(2)国内最大規模のホワイトハッカー集団

 ICPO(国際刑事警察機構)出身者を含む200人規模のセキュリティ人財が、攻撃からの防御とログ解析に全精力を注いでいます。

(3)先端AIツールの活用

 高度なAI分析環境を活用し、膨大な脅威情報の整理と痕跡の特定を迅速に進めています。

(4)国際的な法的証拠保全

 裁判所を通じた開示請求の手続きに着手するなど、法令に基づき、攻撃者の足取りや通信ログの獲得に向けて具体的な行動を進めています。

 自社の対策に及ばなかった点があったことは深く反省し、抜本的な改善を進めてまいります。しかし、一番許されないのは、人々の財産とデータを脅迫の道具にするサイバー犯罪者です。今、この犯罪集団の痕跡を追い、特定を進めるための情報が集まりつつあります。

 必要なのは「国境を越えて国民の財産を脅かすサイバー犯罪を断固として許さない」という、国の毅然とした方針と、法に基づく実効的な連携です。

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