特集
セブン&アイのネットスーパー専用店舗、裏側の仕組みは?:配送の便数は倍以上に(2/3 ページ)
「ネットスーパー」と呼ばれるECサービスを手掛けるスーパーマーケットは多いが、今年3月にセブン&アイHDが開業した「ネットスーパー西日暮里店」は、物流倉庫さながらの専用店舗だった。
人手はほぼ不要
ネットスーパー西日暮里店が既存のネットスーパーと大きく異なるのは、システムによる作業の自動化が進んでいることだ。受注から製造調理、配送管理にいたるまで全てシステムで制御している。
具体的な流れはこうだ。ECサイトから注文が入ると、まず配達エリアや時間帯などを基に出荷順が自動的に決定する。次に商品情報が集荷スタッフの専用ハンディターミナルに飛んでくるので、該当する商品のバーコードを読み取って箱に詰めていく。その後、梱包した商品を全長約600メートルのベルトコンベアに流すと、出荷場には配送する順番に並んでやって来るので、そのまま配送車に積めばいいといった具合だ。
商品のピックアップと最後の積み上げ以外は人手が介在しないため、受注から配送までの時間が大幅に短縮され、1日あたりの出荷件数は既存店舗の約5倍にあたる最大2000件まで対応可能となった。
関連記事
- 今、スーパーマーケットが大転換期を迎えた
流通大手の総合スーパー(GMS)事業の不振や、地方を中心とした業界再編など、日本のスーパーマーケット業界を取り巻く動きが目まぐるしく変化している。特集「スーパーマーケットが生き残る道」では、そうした状況下での各社の取り組みなどを見ていく。 - オムニチャネルに躍起になるスーパー各社、成功のポイントは?
今スーパーマーケット業界で旬なキーワードが、すべての販売チャネルを統合する「オムニチャネル」であろう。大手を中心に各社がその推進を急いでいる。日本におけるオムニチャネルの現状や成功のポイントを小売・流通業界に詳しいアクセンチュアの山口邦成シニア・マネジャーが解説した。 - セブン&アイとイオン、流通2強時代はまだ続くのか?
同時期に過去最高の営業利益を叩き出したセブン&アイと、業績予想の下方修正を行ったイオン。証券アナリストに両社のビジネスにおける差などを聞いた。 - ポカリ6億本の流通を止めない秘策、大塚倉庫の「ID戦略」とは?
ポカリスエットやオロナミンC、ボンカレーなど、大塚ホールディングスの多種多様な商品を全国の消費者に届けるべく、その物流業務全般を担うのが、グループ会社の大塚倉庫だ。近い将来、現状の倍となる売上高1000億円を狙う同社が推進する事業改革に迫った。 - 特集「スーパーマーケットが生き残る道」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.