出世したいなら、まずは“ぜいたく”を知る:銀座で学んだこと(4/4 ページ)
とある会社の社長は、「ぜいたくはテーマパークの“入場料”みたいなもの」だとおっしゃいます。これはどういう意味なのでしょうか?
睡眠欲だけなら坊さんになれ
ある会社で会長をされているEさんは、このようにおっしゃいました。
「たくさん働いてたくさんお金を使う。これほど健康的に日本経済に貢献できることはない。だけど、お金を支払って買えるモノは、しょせん人が作ったモノにしか過ぎず、価値はあるが究極ではない。本当に価値があるのは、自分と大事な人の健康だよ。こればかりは、お金を払っても得られない究極のモノだ。仕事でもプライベートでも、居心地がいいモノには存分にお金を使えばいいけれど、お金で健康を買うのは難しい。だから、健康であることに毎日感謝して、それを害さないよう脳を使って働かなければいけない」
Eさんは昔、当時の上司から「物欲も食欲もなく、睡眠欲だけなら坊さんになれ」と叱咤(しった)されたそうです。会長になられた今では、物欲は鯉の収集に、食欲は健在で常に新しい食事処を探しているそうです。
冒頭のココ・シャネルの言葉通り、ぜいたくとは自分にとって居心地がいいモノでなければいけませんが、居心地がいいかどうかは、自ら「入場料」を払ってみなければ分かりません。出世されているほとんどの方は、世間でいうぜいたくなモノにお金を当てて居心地のいいモノを探求しているようですが、不思議なことに、物欲がなくなるころには大成し、自分にとっての良い悪しを取捨選択できるようになるとおっしゃいます。
欲があるから出世するわけではありませんが、少なくとも居心地のいい場所やモノを求める行動は、自然と自分の基礎力を上げてくれるようです。
桃谷優希氏のプロフィール:
1988年10月16日大阪府生まれ。16歳のときに処女作『デリンタ(悪魔の子)と呼ばれた天使たち』(文芸社)でデビュー。このほか『国民の声』(文藝書房)に寄稿、『罪追人』(文藝書房)、今春『赦れる天秤』を刊行予定。
京都ノートルダム女子大学卒業後、北新地のクラブへ。クラブ「城」閉店後、銀座に移籍。銀座40周年の老舗「クラブセントポーリア」でナンバーワンの座を手にして、その後26歳の誕生日に某有名店のママに就任。
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