理想のベビーシッターサービスって何だろう?:経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(3/8 ページ)
「ベビーシッター文化を日本にも広めたい」――。やりたいことは明確に決まっているのだけど、そのイメージを具体的なサービスに落とし込むのは並大抵ではない。私たちのサービスはどのようにして生まれたのだろうか。
シッターさんは全員面接、利用者からも「顔が見える」存在に
保険がついていればいいというわけではなく、誰にとっても安全性は最優先だ。特に小さなお子さん(キッズラインは新生児から12歳までが対象)を預けるわけだからなおさらである。なので、私たちは、登録するシッターさんはすべて面接し、研修と、テストシッティングに合格した人だけにした。
ただ、シッターサービスを利用するときに、運営会社も預ける側も、一番手間がかかるのは、「シッターさんとのマッチング」。相性が合う人に出会えるか、子どもの情報共有をどのようにするか、そして、スケジュールの調整だ。
だから私たちは、それらすべてを「簡単」「分かりやすく」「便利に」することに徹底的にこだわった。
まず、誰もが知りたいであろう、シッターさんがどんな人なのか、「顔が見える」ことを大切にした。たとえサービス利用前に面接できない状況でも、安心して頼みやすいように意識した。具体的には、シッターさんの写真を5枚程度大きく掲載し、その人の雰囲気が一瞬で伝わるようにした。そして、資格保有状況や、経験年数、自己紹介などのプロフィール詳細を記載した。また、利用者全員の口コミを掲載し、Facebookつながりの友人が利用したシッターさんが一覧で分かるようにした。リアルの面接以上に、正確な情報が伝わるよう工夫を凝らした。
そして、シッターさんのスケジュールも掲載した。シッターさんは随時自分の働きたい時間を登録することができる。それによって、利用者はわざわざ依頼する時間を調整しなくてもすぐに予約ができる。
また、空き状況からシッターさんを検索することもできる。それによって、当日予約も、翌日予約も、そして定期予約もオンラインで完結することを可能にした。
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