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私の慢心を打ち砕いたベンチャーコンテスト LaunchPadへの挑戦:経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(4/8 ページ)
2度目の起業ということでマイペースにコツコツやれば、きっといつかは……。そんな私の気持ちを打ち砕くきっかけとなったのが、スタートアップ企業の登竜門、LaunchPadへの出場だった。
日本の文化にするには全員を巻き込まなくては
Launch Padで伝えたかったこと。それは、ベビーシッターサービスの価値を男性経営者にも理解してもらうことである。キッズラインを「女性がやる、女性のためのサービス」で終わらせたくなかった。日本の文化にするためには男女関係なく全員を喜ばせ、幸せにしたかった。
そして、もう1つ。キッズラインの法人導入である。企業が負担してくれれば1時間約500円で社員はベビーシッターサービスを利用できるようになる。それによって、ますます女性社員が安心して働き続ける環境が整うわけである。企業にとっても女性管理職が輩出される環境がリーズナブルに整うから、かかわる人皆にメリットがある。
私たちがLaunch Padに応募したのは、「日本にベビーシッター文化」を根付かせるため。男性の経営者にベビーシッターが今の日本にすぐにでも必要で、本当に「女性の活躍」も「少子化問題」にも真剣に向き合わなくてはいけない、待ったなしだというのを伝えたかった。そのためには、私自身が最も分かりやすい事例だった。30代で3回出産しながら創業した会社を上場させるなんて、ベビーシッターがなければとてもできなかった。
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