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私の慢心を打ち砕いたベンチャーコンテスト LaunchPadへの挑戦:経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(8/8 ページ)
2度目の起業ということでマイペースにコツコツやれば、きっといつかは……。そんな私の気持ちを打ち砕くきっかけとなったのが、スタートアップ企業の登竜門、LaunchPadへの出場だった。
そして何よりも、私自身が変わることができた。前の会社で、このベビーシッター事業をやりたかったが、いろいろな問題があり、経営陣と方針も価値観も合わず、形にすることができなかった。せっかく上場して体力がついてこれからというときに、女性が輝き続けるためのサービスを作り続けるという信念を貫き通せなかった。
けれども、信念を持ち続けていれば、ゼロからでもやり直せるんだと分かった。意志があれば、人間は何度でも復活できるのだ。そして、いろいろな経験があったからこそ、正しい道を見つけることができたのだと感謝している。
志があれば、本気であれば、人は応援してくれる、道は開けると改めて気付かされた。
起業家として歩むとき、いろいろな生き方があっていいと思う。お金を追求する人もいれば、エグジットして悠々自適な生活をするのもいいだろう。でも、私はまだ志を達成してない。だから挑戦し続けている。口では挑戦していると簡単に言える。もしかしたら、2回目の起業をしたばかりの私もそうだったのかもしれない。
けれど、本気の挑戦というのは、常に前を向いて、きちんと結果を出すことなんだということが腹の底から理解できた。キッズライン成功の道はまだこれからだけれども、そんなことを改めて痛感させてくれた素晴らしい経験ができた。
次回は、私が大切にしている経営者としての心構えなどをお話ししたい。
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