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私の慢心を打ち砕いたベンチャーコンテスト LaunchPadへの挑戦:経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(7/8 ページ)
2度目の起業ということでマイペースにコツコツやれば、きっといつかは……。そんな私の気持ちを打ち砕くきっかけとなったのが、スタートアップ企業の登竜門、LaunchPadへの出場だった。
優勝がもたらしたもの
Launch Padで優勝してから、私たちを取り巻く環境は急激に変化した。
1つは法人導入したいという問い合わせが殺到したことだ。大企業を含む数十社からすぐに打診があり、改めて「企業も女性活躍推進を真剣に考えているのだな」と感じた。
ただ、これまでキッズラインのサービスは個人が対象だったので、法人向けに体制を迅速に作り上げる必要があった。シッターの採用を増やしたり、法人営業できる人材を確保したりと急いだ。他方、個人ユーザーの申し込みも増えたので、これは忙しくなるなと嬉しい悲鳴を上げた。
もう1つ、大きかったのは社内の変化だ。優勝したことが社員の自信につながり、いい意味で欲張りになった。例えば、エンジニアは自発的にRubyのコンテストにエントリーするし、ほかの社員もコンテストを見つけてきては応募したがった。個人が、会社がもっと成長するために具体的な挑戦意欲を持つようになった。
長期的なビジネスやインフラづくりに挑戦するとき、最初は結果がなかなか出ない。でも、業務量は膨大だ。そんな中で、どうやって社員に誇りを持って働いてもらえるかというのは経営者としてとても難しい仕事だった。でも、自分たちが努力して作ったサービスが評価され、Launch Padで優勝したことで仕事に誇りを持つようになった。それ以降、売り上げも確実に増え続けている。未来をより感じることができるようになり、会議の活気も格段に違ってきた。
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