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私の慢心を打ち砕いたベンチャーコンテスト LaunchPadへの挑戦:経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(6/8 ページ)
2度目の起業ということでマイペースにコツコツやれば、きっといつかは……。そんな私の気持ちを打ち砕くきっかけとなったのが、スタートアップ企業の登竜門、LaunchPadへの出場だった。
社員の皆はオフィスで中継を見ていて、優勝した瞬間、本当に嬉しかったようで、皆が喜んでいる写真や動画が私のスマホに次々と送られてきた。後で聞いたら、号泣していた社員もいたそうだ。
なぜなら、会社を立ち上げてから今まで、皆ずっとシステム開発やサービス開発ばかりしてきた。赤字だったし、毎日の売り上げも微々たるものだった。それでもユーザーは増えていたし、毎日届く感謝のメールに希望を持っていた。ただ、本当にこの会社が成功できるのだろうかという気持ちがゼロではなかったと思う。それは評価を受けたことがなかったからだ。
そうした中、Launch Padで1位になったことで、今までやってきた必死の努力が正しいと客観的に評価されたと感じ、皆がそれをすごく喜んだ。
1回目の起業のときも、皆が上場に向かって頑張って、上場したときにとても喜んだ。こういうことって大事だったんだと思い出した。やりたいことやいいことをやっているから満足するのではなく、挑戦して、結果を出すことの繰り返しが強い経営なんだ。社員だってそれを求めているんだ。そう思い出すことができた。
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