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「人の思いで、人は動く」 出世した人の考え方:銀座で学んだこと(2/4 ページ)
年の瀬が近いこの時期は、多くの人が自分のことで精一杯。しかし、大成された方というのは、こういうときこそ慎重に仕事をされてきたようです。
いいイメージを残す
せっかく作ったリストを直接上司に渡さず、あえて遠回りをするのはどうしてなのでしょうか。するとAさんは、このように話されました。
「この時期はお歳暮やらお年賀の準備で秘書もピリピリしていて、人のやることだからときどき“穴”がある。だから、その秘書の“穴”を埋める。秘書の頭の中に『よくやってくれた』という小さなイメージが残ればそれでいい。上司に媚(こび)を売るためにやっていたわけではなくて、イチ会社員としてやっていたことだから」と話しながらも、Aさんは重要なのは“時期”だと念を押します。
「同じ行いでも、すごく大変なときにやってもらえたらその価値は倍になるけど、そうでないときは1の評価は1のまま。だから、仕事はいつでも人の印象にいかにうまくねじ込むかが大事なんだよ」と話されました。
今でもAさんの「手帳二刀流」は健在で、自分用と部下用をお持ちなのだそう。「これは、中小企業だからこそできる技かもしれない」と言っていましたが、ネット社会が発達した今でも手帳が当たり前のように売れる時代なので、手帳二刀流は会社の規模にかかわらず参考になる方も多いのではないでしょうか。
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