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“日本初上陸ブーム”に沸いた2015年外食業界 なぜ大行列できる?ブルーボトルやシェイクシャックも進出(2/3 ページ)

2015年は海外から日本に初進出する外食店のラッシュだった。さらにオープンから長期間にわたって連日のように行列が続く店も少なくなかった。なぜそこまで人々が集まるのだろうか。

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口コミが大行列を作る

 さて、このように2015年は日本初上陸ラッシュとなったわけだが、その後の成果はどうだったのだろうか。

 これまでは、「日本初」とうたった店に注目が集まり、しばらくの間行列が絶えないほど潤っていた店は少なくなかったが、年間に20以上もの店が初進出となると、さすがにその宣伝文句の効果も薄れ、すべての店にまんべんなく人が集まり続けるというわけにはいかない。

 では、数ある中からどういう店が選ばれるのだろうか。その1つの鍵となるのがSNSである。初上陸する店から発信されるさまざまな情報の中から、外食トレンドに敏感な層の中心である20〜30代女性は、興味のある店をピックアップし、オープンの数カ月前から期待値を高めるような口コミを発信していた。店のプレスリリースはもちろん、Instagramの写真や本国のWebサイトなどから集めた情報が拡散され続けるわけである。

 かつて行列ができる店は、テレビや雑誌などで取り上げられたからという点が大きかった。もちろん現在でもその影響はあるわけだが、情報を得る手段が昔と比べて増えており、一方的に伝えるテレビや雑誌、新聞などのマス媒体よりも、自分が欲しい情報をピンポイントで調べられるWebや、近しい人によるSNSによる影響力が増してきてると考えられる。

 そうした点において、SNS上によるインパクトが強かったのが、ブルーボトルコーヒーとシェイクシャックだ。本国の米国で実際に訪れたことのある人が、日本初上陸という情報を察知し、自分のSNS上で拡散していく。この流れが1年近くの期間をかけて徐々に広がり、そうした盛り上がりを見たさまざまなメディアがオープン前に取り上げることで、さらにSNS上で話題を集め、最高の期待値の中でオープンを迎えることができたと言えよう。

昨年2月に日本1号店を清澄白河にオープンしたブルーボトルコーヒー。既に都内に複数店舗を構えるまでになった
昨年2月に日本1号店を清澄白河にオープンしたブルーボトルコーヒー。既に都内に複数店舗を構えるまでになった

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