ブルーボトルコーヒー、この1年をすべて振り返る:水曜インタビュー劇場(カフェ公演)(6/7 ページ)
米国発のカフェ「ブルーボトルコーヒー」が、日本に上陸して1年が経った。オープン当初は行列ができていたが、なぜ多くの人は一杯のコーヒーを求めて何時間も並んだのか。同社の井川取締役に分析してもらったところ……。
“ストーリーを伝える”ことにチカラ
井川: 以前、クリスピー・クリーム・ドーナツを上陸させたリヴァンプという会社で、新しく展開したアンティ・アンズというプレッツェル専門店が上陸するときに広報の仕事をさせていただきました。その後、丸亀製麺がハワイに飲食店を展開するときにもお手伝いをさせていただきました。
土肥: ブルーボトルコーヒーがオープンするときには、どのようなことを考えていましたか?
井川: 「ブームだけで終わらせたくない」という思いがありました。そのためにどんなことをしたかというと、“ストーリーを伝える”ことにチカラを入れました。例えば、創業者は40歳まで音楽家をやっていましたが、突然その仕事を辞めて、カフェを始めました。なぜ、カフェを始めたのか。コーヒーに対する想いであったり、モチベーションであったり、世界観であったり、そうしたことを伝えることにしました。また、なぜ日本でカフェをオープンするのか。そうしたストーリーをきっちり伝えなければ……という意識は強かったですね。
土肥: なるほど。ところで、井川さんはやっぱりコーヒーが好きですか?
井川: いえ、好きじゃないんですよ。
土肥: えっ、ブルーボトルコーヒーで取締役という肩書をもつ方が、コーヒーは好きじゃない?
井川: あっ、いや、その……好きなのですが、「詳しくない」という意味ですね(汗)。この会社で働く前は、普通に「コーヒーは好き」と言っていたのですが、今は気軽に「コーヒーは好き」と言えないんですよ。
土肥: どういう意味でしょうか?
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