入社したら勤務条件が違っていた――そんな場合の対処法:マネーの達人(1/2 ページ)
「手取りでも20万円は固いと言われたのに」「残業がないと聞いていたのに」――。いざ働いてみると、開示された雇用条件と異なる場合があります。今回は、入社後の労働条件のトラブルとその対処法について紹介します。
もうすぐ4月、新年度が始まります。これから社会人1年目を迎える人もいれば、転職して新年度のスタートを切る人もいるでしょう。希望と緊張が入り交る中、いざ勤めてみると、
「手取りでも20万円は固いと言われたのに、もらった給与を見るといろいろ引かれて16万円くらいしかない」
「残業がないと聞いていたのに、午後9時を回っても帰れないほどの仕事量だった」
など、当初示されていた雇用条件と違うことがあります。こういう場合、一体どうすればいいのでしょうか?
労働基準法と職業安定法
雇い主がハローワークなどで従業員を募集する場合、職業安定法に規制があります。職業安定法では、雇い主に労働条件を明示する義務を課しており、応募者に業務の内容や賃金、労働時間、その他労働条件を明示することが定められています。
また、労働基準法では労働契約を結ぶにあたり、雇い主に労働条件を明示する義務を課し、賃金、時間などの労働条件を明示しなければなりません。仮に明示しなかった場合、雇い主には罰金が課されることになっています。明示しなければならない主な内容は下記の通りです。
- 労働契約の期間
- 働く場所、従事すべき業務内容
- 始業、終業の時刻
- 残業の有無
- 休憩時間、休日、休暇、賃金に関すること
- 退職に関すること
労働契約の条件や内容については雇用前に書面で説明、確認をしなければなりません。にもかかわらず、明示されていた労働条件と違っていた場合、従業員は会社と交わした労働契約を解除できます。
例えば、求人票に示されていた賃金の額と、実際に受け取った額が明らかに違っている場合、労働契約を結んだあとでも条件の変更について合意をしていなければ、求人票に記載されている労働条件で契約は成立しているので、差額があれば請求できます。
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