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社員以上の愛社精神を持つ、ヤッホーファンが流した涙のわけ:「よなよなエール」流 ガチンコ経営(4/4 ページ)
私たちヤッホーブルーイングでは「よなよなエール」などを愛飲してくれるお客さんのことをファンと呼んでいます。今回は熱心なファンの一人、ゆみえさんとの間に生まれたあるエピソードをお届けします。
ヤッホーブルーイングの価値観に、「顧客は友人、社員は家族」という項目があります。社員同士は本当に家族のように思い接しているはずです。ただ、今回の例は、よなよなエールが好きなファンは友人ではなく、社員と同じような家族というレベルになってくれたということです。これは創業以来、初めてのことでした。
もちろん、こういうことを期待して行動するということはなく、心からファンのことを考え、喜んでもらうことを第一にしてきた結果だということです。そして、こういう経験を繰り返した私たちには、今では社員と同じかそれ以上によなよなエールやヤッホーブルーイングのことを愛してくれているファンがたくさん増えているのです。
最後に、ゆみえさんは先日、結婚報告のためにわざわざ彼氏を連れて、私たちの会社にやって来てくれました。あいにく私は不在にしていてお会いできなかったのですが、多くの社員が出迎えをして祝福の気持ちを伝えしました。
後日、皆で撮った記念写真を見せてもらうと、そこにはイベントのときと同じように満面の笑顔のゆみえさんと、その横に寄り添う彼氏が写っていました。これを見て、私たちはビールを通して幸せを届けているんだなと、たまらずジーンとしてしまいました。もちろん、私も彼女の姿を見て幸せな気分にさせてもらいました。
こんなことがある人生って本当に素敵じゃないですか? これだからビール屋はやめられません!
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