公式SNSはなぜ炎上するのか 要因は3つ:炎上の火種(4/5 ページ)
Twitter、Facebook、InstagramなどSNSのビジネス利用が拡大している。一方で、炎上するケースも増えている。なぜ公式SNSは炎上するのか。要因を探ってみると……。
リスク回避として有効な方法
リスク回避策としてまず有効なのが、運用ルールの制定だ。当然のことのように思えるが、意外とこれができていない企業が多い。筆者も企業広報を担当しているが、プレスリリースを配信する際や、新聞・雑誌に広告を出す際は、言葉の言い回し、誤字脱字などを2重、3重と入念にチェックを入れるプロセスが存在する。ところが、SNSはビジネスというよりプライベートの印象が強いせいか、手軽さもあって、十分な確認をしないまま投稿してしまう傾向がある。
プレスリリースや新聞・雑誌と違って即座にワンクリックで投稿を削除できるという側面はあるものの、本連載で再三繰り返しているが、一度投稿されたものはスクリーンショットで保存されて、別の場所で拡散されてしまう。「一度投稿したら変更できない」と認識し、下書きや、投稿前のダブルチェックなどの運用ルールを決めておくことが必要だ。
また、(2)の事例のようなケースにも該当するが、特定の投稿日には留意したほうがよい。公式SNSに限らず、炎上しやすい日というものが存在する。例えば、10月3日は韓国では開天節といういわゆる建国記念日にあたるが、当日は反日感情が高まることから、日本企業へのバッシングが起こり、炎上件数が増加する傾向がある。
そのような国家的記念日や、「不謹慎」と受け取られる可能性があることから、終戦日あるいは開戦日、大地震などの天災が起きた日に投稿する必要がないのであれば避けたほうが安全である。そのほかにも、人種やジェンダー、宗教など、個人によって思想が分かれるものは炎上しやすい傾向があるので、公式SNSでは言及しないほうがよい。
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