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身につけて疲労回復 新たな市場を開拓する「リカバリーウェア」とは?:高井尚之が探るヒットの裏側(3/6 ページ)
ジャーナリスト・経営コンサルタントの高井尚之氏が、人気企業・人気商品の裏側を解説する連載。今回は身につけて疲労を回復する「リカバリーウェア」の人気を読み解く。
商品コンテストで最高賞を獲得し、「革命的なスポーツギア」と評される
「着用して実験に参加した人数が多くないので、今後は参加人数を増やして実証レベルを高めていきたい」と前置きしつつ、中村氏は次のような取り組みの事例を語る。
「海外では、米国のチャールズドリュー医科学大学とマウスを使った免疫能力の実験を行いました。加齢によって免疫能力が低下したマウスを、PHT繊維使用群と未使用群に分けて調べた結果、マウスの住むケージ(カゴ)にPHT繊維を敷きつめたマウスは、若いマウスと同程度に免疫能力が改善することが分かったのです。今後は、ドイツ・ボーフム大学のスポーツ科学科と、リカバリーウェアの機能性・効果を科学的な視点で解明する研究を、経済産業省の補助金を得てスタートさせます」(同)
国内外の展示会や審査会にも出展・応募してきた。その結果、2013年にドイツで行われた世界最大のスポーツ用品の見本市「ISPO(イスポ)」の商品コンテストで日本企業初の「ゴールドウィナー(最高賞)」を獲得し、「革命的なスポーツギア」と評された。国内では2015年に「健康科学ビジネス推進機構」(産学官医協同の組織)の選考で「製品・サービス部門」で入選した。現在ドイツでも販売し、販売数拡大につながっている。
2009年の発売以来、利用者を拡大してきたリカバリーウェアの売れゆきは好調だ。だが、ここに至るまではさまざまな困難が待ち受けていた。
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