森や井戸もある、赤プリ跡地の「東京ガーデンテラス紀尾井町」が一部開業(1/2 ページ)
5年前に閉鎖した赤坂プリンスホテルの跡地に新たな複合施設が誕生した。オフィスや商業施設、賃貸住宅などからなる「東京ガーデンテラス紀尾井町」だ。今年7月のグランドオープンに先駆けて、施設の一部を開業した。
「赤プリ」という愛称で親しまれ、バブル期にはその時代を象徴するような場所でもあった赤坂プリンスホテル。2007年にはグランドプリンスホテル赤坂と改称したが、開業から55年以上経過したことによる老朽化などを理由に、2011年3月で営業終了となった。
その跡地利用が注目される中、西武ホールディングスの子会社である西武プロパティーズが工期3年以上、約1040億円の総事業費をかけて新たに開発したのが「東京ガーデンテラス紀尾井町」だ。
このガーデンテラスは、オフィスやホテル、商業施設、カンファレンスルームを備える地上36階、地下2階建ての「紀尾井タワー」、135戸の賃貸住宅を持つ「紀尾井レジデンス」、旧グランドプリンスホテル赤坂 旧館を保存、復元した「赤坂プリンス クラシックハウス」などで構成される。バスやタクシーなど交通機関の乗降スペースは地下に配置し、地上の表層部分はできるだけ緑地を設けたことで、敷地内の緑化率は約45%に上る。
ガーデンテラスのグランドオープンは7月27日だが、それに先立ち、5月1日からオフィスおよび住宅の入居を開始、同10日には商業施設の一部が開業となる。「(ヤフーなどの企業が入居し)既にオフィスフロアはすべて埋まった」と、5月9日に開かれた報道陣向け内覧会で登壇した西武プロパティーズの齊藤朝秀取締役は胸を張る。
オフィスフロアの特徴として齊藤氏が挙げるのが、ワンフロア1000坪超の広さと、柱と柱の間隔を大きくすることによるレイアウトの自由度の高さである。「類似のオフィスビルだと柱の間隔は7.2メートルが一般的だが、紀尾井タワーは18メートルのワイドスパンにした。これによってオフィスレイアウトがしやすくなるし、窓から見える景色も広くて快適だ」と齊藤氏は強調する。
また、自然災害などによる事業継続の点でもメリットがあるという。自家発電設備を用意することで3日間は通常レベルの電力を保つことができるほか、約600トンの水を貯める井戸がある。
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