就職活動を再点検せよ(3/4 ページ)
6月1日は、就職・採用活動の解禁日でした。どんな環境下でも採用が順調に進む人は確かにいますが、ほとんどの学生はなかなか自分の思う通りに選考が進まないのが現状です。今回は、就活が思うように進まない人に向けた「就活再点検」です。
失敗理由
ここに挙げた「企業選び」含め、上手く進まない要因は以下のようにまとめられます。
- アピール
- 企業選び
- スケジュール
アピールについては冒頭の章で述べたように、企業が求めているものを理解しなおす必要があります。「戦略的就活術」としてサイトや本で説明していますが、企業が求めているのは一般論での正解や、「何をしたか(What)」の答えではなく、「なぜしたか、どうやったのか(Why&How)」です。答の情報自体には意味がありません。
面接を「うそつき大会」と呼ぶ人はこれが分かっていません。面接でもESでも真実が何であるかなど、誰にも検証できません。だから答が何か(What)は問題ではなく、その答えをなぜ、どうやって導いたか(Why&How)で説得できるかどうかが重要なのです。典型的な「サークル副部長」も、「バイトでお客さまのために接客」も「家庭教師/塾講」も、WhyとHowが無ければ何1つ説得できません。
企業選びを自分だけではできないのも学生である以上当然です。そうであればちゃんと企業選びのプロに聞けば良いのです。それは身近にいるカリスマ内定者の先輩とか専業主婦のお母さんとか、会社を引退したお父さんではありません。カリスマ内定者など、ただの一度も働いた経験のないただの素人学生です(内定を取った努力を一切否定するものではありません)。
また、ドッグイヤー、インセクトイヤーと呼ばれる速度で変化するビジネスの世界で、バブル時代や昔の仕事のことしか知らない人は、たとえ大人であっても少なくとも現在のビジネスの人ではありません。
指導教員も、大学院を出て以来大学業界(=先生)しか経験していない方だと、普通は厳しいかもしれません(企業人並みにバリバリ産業界と連携している例外の先生もいる)。
しかし大学のキャリアセンターには必ず相談員の方がいるはず。現在も何らかの形でビジネスに関わっている相談員の先生なら、プロとして企業選びの相談には最適です。キャリアコンサルタント資格などあろうとなかろうとたいした影響はありませんが、ビジネスセンスをお持ちかどうかは致命的に重要です。
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