売上高53億円を超えた! 「オフィスグリコ」が成功した3つの理由:菓子でリフレッシュ(7/8 ページ)
皆さんの会社には「オフィスグリコ」はあるだろうか? 江崎グリコがこのサービスを本格展開し始めてから十数年のうちに売上高は17倍以上の53億円に。その成功の秘密に迫った。
今後の成長に向けた課題は?
では、今後のオフィスグリコの成長において課題はないのだろうか。
1つはオフィスにおけるセキュリティ強化への対応だ。かつては保険の外交員や人材派遣会社のスタッフなども、オフィス内には気軽に立ち入ることができたが、昨今のセキュリティ強化に伴い、オフィス内への立ち入りが禁止される例が増えている。部外者となるオフィスグリコのサービススタッフも、補充などの作業でオフィス内に立ち入ることができない場合も出てきている。
「セキュリティも大切な要素だが、社員の仕事環境を改善することも大切な取り組み。また、循環型備蓄という考え方も必要。職場環境を変えていく提案によって、企業の理解を得たい」(グリコチャネルクリエイトの古藪社長)とする。セキュリティの観点ばかりに着目するのではなく、従業員満足度に向けた提案という切り口から、ここを突破していく姿勢を見せる。
2つ目は、ワークスタイル変革に伴いテレワークが浸透。在宅勤務やモバイルデバイスを活用したモバイルワーカーの増加などにより、オフィスで働く従業員が減少するという動きへの対応だ。
オフィスグリコを導入する企業は、社内で働く従業員が多いというケースが目立つ。確かに、大学の研究室やコールセンター、工場などへの導入で効果が出やすいのも事実だ。当然、社内で働く従業員が減れば、それはオフィスグリコにとってマイナスに作用する。
だが、これについて古藪社長は「懸念材料だとは思っていない」と言い切る。モバイルワーカーやテレワーカーが増加することで、サテライトオフィスの増加が期待される。それはオフィスグリコにとって、むしろビジネスチャンスを生むことになるからだ。
自動販売機だと、大型の機器が必要であったり、一定の販売数量が見込めたりすることが設置条件となるが、オフィスグリコの設置は、小さい規模での導入が可能であり、さらに菓子だけであれば電気代が不要。導入済みのオフィスにおいても、最適な規模を選択すれば仕組みを維持しやすいこと、サテライトオフィスなどへの新規導入においても、導入のハードルが低いことはプラスに働くと見ている。
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