スマホとVRビジネスはどうなる? HTC NIPPONの玉野社長に聞く:甲斐寿憲のキニナルモバイル(3/5 ページ)
日本市場に初のAndroidスマートフォンを投入したHTCが存在感を見せ始めている。最新のハイスペックスマートフォン「HTC 10」の販売が好調なほか、VR「Vive」も注目されている。変化のスピードが速い中で、次々に新製品を投入しているHTC NIPPONの玉野社長に話を聞いた。
格安スマホ市場はポケモンGOで変化を始めた
――今の日本のSIMフリースマートフォン市場について、どのように考えていますか?
玉野: 日本のSIMフリースマートフォン市場は、ある程度予想していた通りの展開になってきていると思います。価格帯で言うと2万円以下の機種が「SIMフリースマートフォン」だと思われている一般ユーザーがほとんどではないかなと。理由は簡単で「格安スマホ」という名前で販売や報道がされているから。本当は「格安回線(格安MVNO)」なのですが、いつのまにやらそういうカタチで浸透しています。ですから、中国メーカーの価格競争力の高い製品がよく売れています。
当社の製品もMVNOで扱っていただいていますが、MVNOのほうで価格を下げて販売されるケースも。そうなると同じ製品を扱う量販店での店頭販売が厳しくなる。ですから、今後は「MVNO向け」「量販店向け」といった形で、製品を分けないといけないのかなと思っています。
――今後も日本のSIMフリースマートフォン市場は、「格安スマホ」という流れで拡大していくと思いますか?
玉野: 今後は「多少、品質や性能が悪くても安ければいい」というユーザー側の認識が「これではマズい」という方向にシフトしていくのではないかと思っています。なぜならスマートフォンゲーム「ポケモンGO」の登場で変化の兆しが現れたのではないかなと。
――確かに格安スマートフォンの一部で「ポケモンGOができない」「動作が遅い」「ダウンロードができない」という話題はよく出ます。
玉野: ポケモンGOのためだけではないのですが、当社もHTC 10で好評を博しているハイスペックな技術を「中級価格帯に落とし込んで、SIMフリー市場に製品を投入できないか」と考えています。
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