「コンビニ=24時間営業」呪縛が終わろうとしている:コンビニ探偵! 調査報告書(3/5 ページ)
最近はエキナカや病院、大学の敷地内などに出店する24時間営業でないコンビニも少なくない。今回は、コンビニが24時間営業をやめたらどんなメリットがあるのかを考えてみよう。
商品ごとに異なる物流と温度管理が一体に
これまでのコンビニは、商品ごとに「常温」「冷蔵」「冷凍」の3温度帯によって納品が分かれていて、各温度帯の拠点に集められてから店舗に納品されるのが一般的な流れだった。しかし、これだと効率が悪いので、常温商品と冷蔵商品をまとめて納品できるようにトラックを変えた。例えば、要冷凍のアイスと常温のパンが同時に納品できるといったように。
そんなことを考えていたら、先日、配送業務などを手掛ける国分が「3温度帯化」の大型物流センターを茨城に開設した。もし、3温度帯を管理できるトラックを開発すると、これまで数回に分けて納品していたのが1回で済むようになる。そうすると、納品する側もされる側もとてもラクになるので、コンビニが享受するメリットは大きくなる。
今後もこうした物流のイノベーションによって、これまでできなかったことができるようになっていくだろう。
清掃をラクにしてランニングコストを削減
コンビニの店内を清掃する際、最も手間と時間が掛かるのは床の清掃だ。床を磨き上げることで店内を明るくし、商品をきれいに見せる効果があるからだ。
これまでのコンビニの床材は「Pタイル」と呼ばれるモノが主流だった。Pタイルは初期コストは安いがメンテナンス(清掃)に手間が掛かるのが難点だった。そのため、時間をかけてゴミを掃きモップでホコリを取り、ワックスをかけなくてはならなかった。
現在、ほとんどのコンビニで採用されているのは「セラミックタイル」と呼ばれるモノだ。初期コストは少々高くなるが、メンテナンスが非常にラクで掃き掃除とモップがけ程度で床の輝きが保てる。時間と手間と人件費が削減できるので、長期で考えるとランニングコストは安く済むというわけだ。
関連記事
- もう振込用紙を持って来ないで! コンビニが「収納代行」を止めたい理由
「電気・水道・ガス・電話などの利用料金はコンビニで振り込んでいる」という人も多いだろう。しかしこの「収納代行」……とにかく面倒で、コンビニオーナーだけでなく本部も「止めたい」と思っているのではないだろうか。 - 初心者にとって最も怖いのは誰か コンビニバイトの裏事情
その昔、高校生のアルバイトといえばコンビニやファストフード店が定番だった。ところが、最近は少々事情が変わってきたようだ。今回は、コンビニバイトの裏事情を報告しよう。 - コンビニが、何度も「おにぎり100円セール」を行うワケ
「おにぎり100円セール」――。コンビニの店頭にこんなポスターを見たことがある人も多いだろうが、何度もセールを行うことでどういった狙いがあるのだろうか。単に売上増を狙うだけでなく……。 - たいして儲かっていないのに、コンビニが「24時間営業」を止められない理由
今や、ほとんどのコンビニが24時間営業だ。いつでも開いていて便利な一方、さまざまな問題が生まれている。今回は、24時間営業のコンビニが抱えるジレンマについて調査した。 - コンビニバイトもブラック化する? 「最大28分タダ働き」のカラクリ
先日、コンビニでバイトをしている高校生に未払いの賃金が支払われることになったという報道があった。賃金が未払いになった原因は何だったのか。今回は、社会問題になったブラックバイトの現状と原因について取り上げる。 - オジさんはなぜ朝からビールを飲むのか 「24時間労働」のしわ寄せ
コンビニに限らず、今や24時間営業はごく当たり前のこと。今回は24時間営業の働き方「3つのパターン」と、その課題を考えてみよう。 - えっ、完売したらいけない? コンビニの物流がスゴくなった理由
読者のみなさんは、コンビニに商品が入る時間をご存じだろうか。多くは深夜だが、消費期限の短い弁当やおにぎりなどは1日3回に分けて納品される。実は、これにはいくつかの「思い」があったのだ。 - 敵は“味方”にあり? コンビニ内部不正、終わりなき戦い
コンビニで起きる犯罪や事件というと、強盗や万引きなどが一般的だろう。しかし、オーナー側からすると、実は一番多いのは……。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.