『沿線格差』の著者に聞く、10年後に注目されそうな沿線・駅はココだ:水曜インタビュー劇場(鉄道公演)(5/7 ページ)
家探しをしているときに「沿線」や「駅」を考慮に入れる人も多いのでは。首都圏でいうと「田園都市線がいいなあ」とか「吉祥寺駅がいいなあ」といった感じで。では、これから注目されそうな沿線・駅はどこか。『沿線格差』(SB新書)の著者に聞いたところ……。
マンションのチラシを見ると
土肥: 一方の道路はそうした工夫をしていない?
小川: 高速道路は別ですが、一般道で工夫していることといえば、道の駅くらい(笑)。ま、それは冗談として、ほとんどしていませんよね。マンションのチラシを見ても「最寄りの駅○分 駅近!」などをアピールしていますが、「最寄りのバス停○分 バス近」と書かれていません。
この文言を見るだけでも、駅に拠点力があることがうかがえますよね。
土肥: 拠点力を高めることに成功している会社とそうでない会社がありますよね。例えば、首都圏で言うと、東急や小田急、JR東日本は上手。一方、東武や京成はちょっと下手なイメージがあります。
小川: 「この会社はブランド力を高めるのが上手」「この会社は下手」という話ではなく、時代が大きく影響しているのではないでしょうか。その昔、東京の人気エリアは上野や浅草など東エリアに集中していました。そのころの東武や京成は、それぞれの沿線でブランド力を高めていました。
しかし、東側の人気エリアに住むことができない人が増えてきたので、西側に注目が集まっていきました。新宿とか渋谷ですよね。結果、東急や小田急沿線のブランド力が高まっていきました。
ただ、西側にもキャパの問題があるので、西の人気エリアに住めない人が出てきました。結果、最近の住みたいランキングなどを見ると「北千住」が上位にランクインしていますよね。「西でいいところがない。じゃあ、東でいいところはないかな」となって調べてみると、「北千住はたくさんの沿線が走っているので便利だよね。住もうか」という人が増えてきたのではないでしょうか。
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