コラム
「106万の壁」と「国民年金の第3号被保険者の廃止」は無関係ではない:マネーの達人(3/4 ページ)
平成28年10月1日から、パートやアルバイトなどの短時間労働者でも一定の条件を満たす人は健康保険や厚生年金保険などの社会保険に加入しなくてはなりません。今回は、俗に言う「106万の壁」と「国民年金の第3号被保険者の廃止」の関係について説明します。
社会保険の適用拡大は第3号被保険者の廃止に行き着く
社会保障審議会の年金部会における議論では、4つそれぞれの案についてさまざまな意見が出され、1つの案に絞ることはできませんでした。しかし、パートやアルバイトなどの短時間労働者に対する社会保険の適用を拡大し、第3号被保険者を縮小していく方向性については一致しました。
つまり、社会保険の適用拡大と第3号被保険者の縮小や廃止は一見無関係のように思えますが、そうではないということです。今後は、社会保険の適用をさらに拡大して、第3号被保険者の縮小を続けていくでしょう。
厚生労働省の「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」には、社会保険の適用拡大から3年以内に検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講じると記載されています。
この法律の記載の通りに必要な措置を講じられるようにするため、自民党と公明党は平成26年9月から議論を始め、「給与の月額が5万8000円(年収なら69万6000円)以上」なら、社会保険を適用するという案も出されました。ここまで社会保険の適用が拡大されると、第3号被保険者の人数はかなり少なくなりますから、第3号被保険者の廃止に関する議論は今後ますます本格化するでしょう。
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