連載
もしトヨタがドラッカー理論をカイゼンしたら:池田直渡「週刊モータージャーナル」(3/4 ページ)
従来から「トヨタ生産方式」という名のカイゼンに取り組んできたトヨタが、さらなるカイゼンに向けて『TOYOTA NEXT』という事業企画公募をスタートした。その真意は――。
応募条件
- TOYOTAとの協業やシナジーが見込めること。
- TOYOTA NEXT選考中および選考後に、TOYOTAとの共創に向けた取り組みの実現に向けてリソースを割けること。
- 中長期的にTOYOTAとの資本提携や業務提携などの提携を前向きに検討できること。
- 提出する資料関係やプレゼンテーション等は日本語を使用すること。
- 事業内容が公序良俗に反していないこと。”
募集テーマ
- もっと快適で楽しい移動を提供するクルマの利用促進サービス
- トヨタの保有するデータを活用したONE to ONEサービス
- すべての人の移動の不安を払拭する安全・安心サービス
- オーナーのロイヤルティを高める愛車化サービス
- 全国のトヨタ販売店を通じて提供するディーラーサービス
そして、この協業に対して、トヨタはトヨタの持つありとあらゆるアセット(資産)を提供する用意がある。それはこれからのトヨタにとって極めて重要なビッグデータまでを提供する意思を示していることからもはっきり分かる。
提供できるアセット
- ビッグデータ
コネクティッドカーから取得可能な情報
- タッチポイント
レクサスを含む、全国各地5000店舗以上のディーラーネットワークとトヨタレンタリースのネットワーク
- オウンドメディア
トヨタ公式ホームページと公式LINEアカウントの利用
- スマートキーボックス
クルマに端末を設置するだけで、スマホでドアロック操作が可能なデバイス
- トランスログ
車両の稼働状況や燃費、安全運転の状況を見える化するツール
- i-ROAD
バッテリー駆動のパーソナルモビリティ
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