「Pepper」は介護業界の人手不足を解消するのか:スタッフの業務負担を軽減(2/2 ページ)
「Pepper」が介護現場で効果を発揮し始めている――。ロボットの活用が思うように進まない介護業界だが、「Pepper」はどのようなシーンで役立っているのだろうか。
介助だけが介護ロボットの役割ではない
他にも介護施設では、レクリエーション分野でPepperを活用する動きも広がっている。
カラオケ関連事業を手掛けるエクシングは、介護施設向けのレクリエーションアプリ「健康王国レク for Pepper」を展開。リリースから約半年で10以上の施設が導入を決めている。
介護施設では、簡単な体操やカラオケなど、健康促進を目的としたレクリエーションをスタッフと一緒に行う。一般的には2〜3人以上のスタッフが必要とされており、人件費や業務負担が課題となっていた。
同社によると、レクリエーション業務にPepperを活用した介護施設は、人件費(月間)を平均で約60%削減することができたという。また、普段レクリエーションに参加しない利用者も参加するようになるなど、エンゲージメント率(積極的な反応を示すこと)も高まったそうだ。
エクシングの伊藤秀樹 商品企画部副部長は「介護施設では、毎日のレクリエーション業務が大きな負担になっている。Pepperに任せることで、レクリエーションのコンテンツに悩むこともなく、また、その時間は休を休めることができる」と話す。
「Pepperは顔認証機能を活用し、1人1人の名前を呼んで話かけることができるので、多くの利用者からは『孫のようでかわいい』と好評だ。実際、Pepperと利用者の平均対話時間は3分以上、長い人では30分以上。スタッフの代わりに「お話相手」としても十分に活用が見込める」(伊藤副部長)
エクシングは「介助を支援するロボットだけでなく、Pepperのようなコミュニケーションロボットも介護ロボットとして役に立つ」として、今後はレクリエーションのコンテンツを拡充させていくとしている。
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