2015年7月27日以前の記事
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出荷停止も…… 「ヨーグリーナ」開発の舞台裏で何があったのかブランド担当者に聞く(4/5 ページ)

ミネラルウオーター市場でトップを走るサントリー「天然水」シリーズ。大ヒットしたフレーバーウオーター「ヨーグリーナ」の商品開発や販売の裏側には、さまざまなハードルがあった。ブランド戦略を担当する糸瀬大祐さんに開発の経緯や当時の思いを聞いた。

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2カ月半の販売停止

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爆発的なヒットとなった「ヨーグリーナ&南アルプスの天然水」

 糸瀬さんらの不安を吹き飛ばすかのような「想定外の売れ行き」でヨーグリーナの販売は幕を開けた。

 ところが、大きな問題が起きる。生産能力を上回るほど売れてしまったのだ。メディアが大きく報じたため、ご存じの人も多いだろう。発売してすぐに出荷停止に追い込まれる。再開までには2カ月半を要した。

 その間、糸瀬さんは大量に生産するための交渉に走り回っていた。天然水シリーズは、採水地にある工場を拠点として、川上から川下まで、全ての工程がブランド構築の重要な役割を担っている。それを支える製造現場に対して、無理難題ともいえる大量生産をお願いした。在庫を抱えることはリスクにもつながるため、「責任を取れるのか」と責められることもあった。それでも、供給体制を整えることが優先だった。

 「売れないといけないが、商品を切らしてもいけない」というプレッシャーがかかる中、迎えた15年6月30日の販売再開。再び世に出たヨーグリーナは順調に走り出し、糸瀬さんは「また認めてもらえた」と胸をなでおろした。

 そして、9カ月後の16年3月に販売数量1000万ケースを突破。フレーバーウオーター市場で、過去最速のペースを記録した。

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