特集
できたて提供 ローソン「まちかど厨房」開発に込めた思い:店内調理を強みに(2/4 ページ)
ローソンが全国3500店舗に展開する「まちかど厨房」。店内調理の弁当やサンドイッチなどが好評だ。まちかど厨房担当部長の鷲頭裕子さんに、店内厨房に取り組んだ経緯や込められた思いについて聞いた。
加盟店の武器に
新たな事業モデルとなる、まちかど厨房の開発の目的は、「店内厨房の実施店舗を広げること」。根強く残る「大変」というイメージを変え、「加盟店の“武器”になるもの」にすることが必要だった。設備や商品などに工夫を加えることで、パッケージ化できる仕組みの構築を目指した。
例えば、メニューごとにバラバラだった弁当の容器を統一したり、汎用性のある包装フィルムを採用したりと、細かい作業の煩雑さを減らすことに取り組んだ。また、メニューも簡単にした。店内厨房で揚げるとんかつを複数の商品に使用するようにしたほか、飲食店と共同開発したカレーなどをラインアップに加えた。おいしさを維持しながらも、パッケージ化して商品の幅を広げた。
しかし、システムが変わっても「大変」「手間」というイメージは根強く残っていた。弁当の店内調理が少数店舗の取り組みだったころ、本社と店舗の間で情報共有が十分にできておらず、その状態が続いていたからだ。本社には「現場感がなかった」という。
そこで、鷲頭さんの経験が生きた。地方勤務で学んだ、現場で発生する細かい問題やそれを解決する知恵などを、各店舗を回るスーパーバイザーに教え、加盟店に伝える情報として活用してもらった。また、新しい店内厨房がどんなものであるのか、伝えるための研修なども実施し、イメージを変えることを目指した。
関連記事
- 「どうせ売れない」を覆した「もぎたて」大ヒットの理由
2016年に706万ケースを販売したアサヒビールの缶酎ハイ「もぎたて」。これまで、売れる酎ハイをなかなか生み出すことができなかった同社が、なぜ大ヒット商品を生み出せたのか。 - セーブオンのローソン転換 トップが語る狙い
中堅コンビニエンスストアのセーブオン(前橋市)は2月1日、ローソンとメガフランチャイズ契約を締結し、国内の全店をローソンに転換すると発表。全国規模の大手チェーンへ転換する背景は? そして消費者にはどのような影響を与えるのか? 両社のトップが会見で語った。 - ローソンが「あきこちゃん」に期待するワケ
ローソンが半年前から提供しているチャットボット「ローソンクルー♪あきこちゃん」。どんな効果が出ているのか。その他、同社はAIをどのように活用しているのか。AIジャーナリストの湯川鶴章氏が、ローソンにおけるAIの活用状況について取材した。 - コンビニは高齢化社会に対応できるのか
人口の高齢化は社会問題になっている。コンビニ業界でも高齢化への対策は課題であったが現状はあまり進んでいない。今回は、コンビニが高齢化社会にどう対応していくべきかを考えてみたい。 - コンビニの数は増えているけれど、働くの人の「収入」は厳しいカラクリ
大手コンビニチェーンはこれまで店舗数をどんどん増やしてきた。「まだまだ大丈夫」といった感じで大量に出店し続けているが問題はないのだろうか。今回は行き着く先の「不安」について考察する。 - コンビニで働く人の不満を解消すれば、ヒット商品が生まれるかもしれない
コンビニの仕事に、棚の奥にある商品を前に出してキレイに並べる「前出し」という作業がある。人の第一印象は数秒で決まると言われているが、それはコンビニの商品も同じ。今回は、商品の並べ方が売り上げにどう影響するのかを考えてみたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.