Googleが広告ブロックを検討? その理由とは:“いま”が分かるビジネス塾(1/3 ページ)
米Googleが特定のネット広告をブロックする機能の導入を検討しているという。良質な広告を選別することで、長期的な利用者の信頼を獲得したい意向だが、同社の動きは広告に依存してきたコンテンツビジネスの流れを変えるきっかけにもなるかもしれない。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、米Googleを傘下に持つアルファベットは、同社が提供するWebブラウザ「Chrome」において、特定の広告をブロックする機能の導入を検討しているという(Googleはこの件についてコメントを控えている)。
具体的にはポップアップ広告、音声付きの自動再生型動画広告、カウントダウンタイマーを表示する形式の広告などが該当する。
これらの形式の広告はネット閲覧時に邪魔になることも多く、一部のユーザーに不快感を与えることは間違いない。にも関わらず、こうした広告が多用されているのは、クリック率が高いことの裏返しでもあり、広告主や広告代理店にとっては魅力的なツールということになる。
広告とコンテンツについてどう折り合いを付けるのかは、ネット黎明期から続く問題だが、広告ブロックはその一つの解決策でもある。AppleはiPhoneに搭載されているWebブラウザ「Safari」において特定の広告をブロックする機能を既に搭載している。ユーザーは広告をブロックするアプリをインストールすることで、自動的に広告を表示しないようにできる。
Appleの場合、あくまでメーカーであり、広告が主な収入源ではないので、利用者さえ望めばこうした機能を搭載することはそれほど難しくはない。だがGoogleは広告を主な収入源としている。このような業態の企業が広告ブロック機能を検討するというのは、一種の自殺行為である。
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