殻を捨てた「ザク」が、20万個以上売れている秘密:水曜インタビュー劇場(ガシャポン公演)(4/6 ページ)
バンダイが発売しているガシャポン「ザク」が売れている。機動戦士ガンダムシリーズに登場するザクの頭部を再現したものだが、最大の特徴はサイズ。カプセルよりも大きいこのアイテムはどのように開発したのか。担当者に聞いた。
「これはヒットする!」と思う瞬間
土肥: ガシャポンを開発するうえで、何か気をつけていることはあるのでしょうか?
松原: フィギュアの場合、3000〜4000円ほどの商品が多いですよね。自分の好きなキャラを買って、満足する人が多い。しかし、ガシャポンの場合は違う。フィギュアと同じようなポーズだとなかなか満足してもらえないので、フィギュアで売っていないようなポーズをつくることがあります。あと、単価が安いので、シリーズモノをいくつか集めると何かの形になったり、カッコよくなったり、といった仕掛けをすることがありますね。
土肥: フィギュアで売っていないようなポーズをつくるということですが、ガシャポンの場合、単価が安いので「よし、このヘンなポーズでいこう!」といった感じで、新しいことに挑戦しやすいのでは?
松原: ですね。フィギュアを購入する人は、指名買いが多い。ガシャポンの場合も指名買いをする人はいますが、それほど多くはありません。通りすがりに「あ、おもしろそう」と感じて、購入する人が多いですね。というわけで、これまでにはなかった切り口であったり、これまでになかったキャラであったり、新しい要素をできるだけ取り入れるようにしています。そうしなければ、自販機の前でなかなか足を止めてもらえませんので。
土肥: 商品を開発していて、「これはイケる。絶対に売れる」と思う瞬間ってあるのでしょうか?
松原: 頭の中であれこれ考えて、いいアイデアが浮かんだときには「これはイケる。絶対に売れる」と思うんですよ。しかも、しょっちゅうそのように感じる。でも、それを形にしたとき「これは違う。難しい」と感じることも、しょっちゅうあるんですよね(涙)。
頭の中であれこれ考えて、「これはイケる」と思って、試作品をつくってみる。しかし、平凡になっていたり、新しさがなかったり、そう感じたときには無理に商品化することはありません。そこで「何が足りないのか」「どんな要素を取り入れれば、新しく見えるのか」を考えて、設計段階から見直しています。ただ……。
土肥: ただ?
松原: 頭の中で「これはイケる。絶対に売れる」と思って、実際につくってみて「イケる!」と感じたときには、ヒットすることが多いですね。
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